FXは申告分離課税で一律20.315%の税金がかかる
経費認定の差はFX取引だけのために活用されたかどうか
FX取引による損失は繰越控除で3年後までの利益と相殺される
FX取引で利益を出した後は、確定申告をすることになっています。確定申告では経費をうまくあげることで、発生する税金を抑えることが出来るでしょう。
しかし経費の計上にはややこしい点も多く、素人では経費に出来るのかわかりにくい物もあります。
本記事ではFXの経費について内容ごとの認否を紹介し、実際に経費を計上する際のコツも解説します。
確定申告は毎年1月1日から12月31日の間で得た収益に対して、発生する税金を計算して期限内に税務署に申告する行為です。
納税金額に関する計算は納税者がすべて行うことになっていますが、 FXで出た利益を申告する場合は、FXに関する費用を経費として差し引くことが可能です。
経費を引かないで申告してしまうと、より高額な税金を支払うことになるので、手元に残す利益を増やすためにも正確な金額を出す必要があります。
FXの税金に関しては所得金額から納税額が決定されます。FXの利益に値する所得金額は「FXの利益から必要経費を引いた金額」で決まるため、経費として計上する内容が増えることで最終的な所得金額も減少します。
しかし税務署が所得金額を調査する「税務調査」に引っかかると、経費についても明確な根拠を示す必要があります。領収書の保存や交通費などはノートに記録しておくことで、内容を証明することが出来ます。
FXの所得金額にかかる税金は一律で20.315%です。内訳は所得税で15.315%、住民税として5%がかかります。
所得税と地方税はそれぞれ納め先が違っており、別々に徴収される仕様です。 所得税は国税として確定申告で支払いを行います。住民税は地方税として地方自治体に納める税金で、個人事業主なら納税通知書に従い支払回数は年に4回です。
FXの税金は分離課税として分類されており、総合課税扱いになっている給与所得などとは別に所得金額が計算されます。
パソコン(減価償却費)
タブレットやスマートフォンの購入費用
インターネット通信費用
パソコン用のモニター
システムトレードのソフトウェア (EA) の購入費用
セミナー参加代や会場までの旅費交通費
食事代などの交際費
家賃や電気代などの光熱費
取引手数料 (スプレッド以外)
テレビ代
新聞・メルマガ・FX関連書籍の費用
プリンターや文房具の購入費用
借金などの利息
FXによる利益は雑所得として認められています。そのため FXを目的として使用、または消費された物やサービスに関しては経費として計上可能です。
これから紹介する内容について経費計上の可否を解説します。
パソコンの経費計上については、FX専用のパソコンであることを証明する必要があります。そのパソコンが家族の共用であり、またFX以外にも利用が確認されてしまうと経費としては認められない場合が多いです。
ただしFX専用でなくても FXのためにどれだけ利用されるかを具体的に説明出来れば、その割合分は経費として認められるでしょう。さらに購入価格が10万円を超えるパソコンは、減価償却対象として費用が数年に分割されて経費になります。
タブレットやスマートフォンは客観的に見てFX以外の利用が考えられる電子機器のため、経費計上が難しい内容になっています。
もちろん明確な根拠を示すことで経費にすることは可能なため、本体代や通信料金を含めてもいいでしょう。経費にするさいは購入時の領収書をきちんと控えておき、通信料金についても毎月の利用明細を用意しておきましょう。
プロバイダや通信回線などのインターネット通信費用は、家族間で使用する頻度が多いです。FXのためだけに使用されることがほぼ考えられないことから、経費にすることは難しいでしょう。
しかしチャート分析ツールである MT4を稼働させるためのVPSサーバーをレンタルする費用は、FXのために消費されているため経費として考えられます。
パソコンのモニターはテレビとは違い、放送を受信するためのチューナーが内蔵されていません。そのため日常生活での利用が出来ないことから、FXのための費用としては認められやすいです。
当然モニター購入時の領収書は必要なので、必ず控えましょう。領収書を紛失しても再発行は不可能な場合が多いです。
モニターの修繕費用についても、FXをするために修理したことになるので経費として有効でしょう。
システムトレードのソフトウェアは日常で使用する用途もなく、FXのために活用されます。そのため経費として考えて良いでしょう。
また システムトレードのソフトウェアは購入しても領収書が添付されないことも多いです。税務調査の際に証拠として提出するために、ネット上の領収書をダウンロードしてデータとして保存しておく他にもプリントしておきましょう。
システムトレードのソフトウェアには高額な物もあり、大きな節税効果が期待出来ます。
FXの勉強会や関連のあるセミナーに参加したさいにかかる費用は、FXの利益を出すための物とされ経費に出来ます。また会場に出向くまでの交通費やホテル代などの旅費なども経費として考えていいです。
スーツについても普段から使用しておらず、勉強会のために購入またはレンタルしたなら経費になります。領収書など詳しい内容を控えておきましょう。
食事代は経費として認められるかは微妙な位置にあります。食事は日常的に費やされる費用であるため、FXと直接の関係があることを証明しにくいからです。
体調管理が重要なスポーツ選手や健康管理をより求められる個人事業主であっても、経費では落としにくいです。しかしFXに関する情報交換をした場合の会食日については、一部が経費として認められることもあります。
家賃や電気代といった光熱費については、その空間で家族とともに生活している場合が多いことから経費にしにくいです。
仮にマンションの1室を貸し切って完全にFX専用の部屋として活用しているなら、家賃や電気代を経費計上は可能でしょう。
また使用時間や床面積などに基づいた合理的な計算を行うことで、部屋がどれほどFXのために使用されるかを算出できます。算出した金額をもとに経費とすることは出来ると考えられます。
委託手数料などの取引手数料に関しては当然経費として計上可能です。取引手数料はFX取引の際にかかる費用であることから、間違いなく経費になります。
株式投資や仮想通貨取引など手数料がかかる他の取引でも、手数料は経費として考えられていて、自動売買についても取引手数料は経費に出来ます。
スプレッドは価格に反映されていますが、直接の費用ではないため経費には出来ません。
テレビ代を経費として考えることは難しいです。テレビ番組の中にはFXの情報番組が放送されていることもありますが、基本的にその他の番組があふれており、テレビの使用用途がFX番組の視聴だけだと証明することは難しいためです。
普通に考えるとテレビはFX関連の番組しか見ないと証言されても、信用するのは難しいでしょう。
FXの勉強代は基本的に経費として落としやすいです。本や電子書籍はFXの内容であればFX以外の情報は記載されていなことがほとんどなので、理解されやすいでしょう。
メールマガジン代については内容によります。購読している内容がFXに関する情報だけであれば証明も出来ますが、総合的なメルマガだと経費計上は難しいと考えましょう。
新聞も総合的な情報冊子であることから経費には出来ません。
文房具は手動でFXの記録をつけているなら必須です。 FXの記録をするための文房具を用意しておけば、その文房具の費用は経費に出来ます。
プリンターも取引履歴やインターネット上の領収書を印刷する際に必要です。そのためプリンター代やインク代なども経費として落としやすくなっています。
しかしプリンターの使用用途がFX関連のみの使用だと証明する必要があり、普段の生活でプリンターが活用されているなら経費計上も難しくなります。その場合は印刷枚数や使用頻度から按分金額を出すといいでしょう。
金融機関から借り入れを行っているのなら、利息を支払う必要があります。借り入れの目的がFXの証拠金にすることなら、利息を経費として落とせます。
一般的に銀行から投資資金を借りることは難しく、消費者金融などで融資を受ける場合が多いでしょう。
レシートや領収書は必ずとっておく
FXとの関係がわかるようにしておく
個人事業主の申請をしておく
経費を計上するためには、税務調査に赴いた職員を納得させるだけの根拠が必要です。 そのために領収書を提示することは、証明内容として大きな効果を発揮します。商品やサービスを購入した時は、領収書を必ず受け取りましょう。
また入手した領収書はただ保管しているだけではなく、提出した際に説明出来ないといけません。
ノートに記録しておくことで、FX関連の領収書だと相手にもわかるようにしましょう。
通常の買い物ではレシートを受け取ることになっています。 レシートには購入品目が記載されているので、領収書を受け取るよりも処理が簡単です。経費計上のさいにレシートでも構わないなら、レシートの保存をおすすめします。
またFXとの関連性をわかるようにしておく点で、レシートや領収書、または記録帳などに記載をしておきましょう。スムーズな説明が出来ることで税務調査も滞りなく進められます。
FXで継続した利益が出ているなら、 個人事業主として申請を出すことをおすすめします。個人事業主になるとFXによる収入を雑所得ではなく事業所得として申告することが出来ます。
事業所得では経費計上する幅が広がる他に、青色申告によって65万円の特別控除が受けられる点も大きいです。
また納税者のFX事業に関わる家族に関しても、青色事業専従者給与として経費に落とすことも可能です。
個人事業主になるための申請は税務署で必要書類を提出することで、10分程で完了します。
パソコン代は金額によって経費に計上を出来る年数が違ってきます。具体的には10万円未満のパソコンは支払った年に全額が経費となります。
また10万以上20万円未満で購入したパソコンは減価償却が3年です。そのため購入金額が3等分されて、経費となります。20万円を超えるパソコンは減価償却期間が4年になり、4等分された金額が1年ごとに経費計上されます。
またパソコンの経費についてはパソコン本体やモニター、マウスなどパソコンを取り扱うために使用する物や設備の増強などまとめて認識される物が1単位となり、加えて送料などの合計が取得単価です。
パソコンの経費計算は以下の手順で行います。
購入したパソコンで行われるFXの時間を計測する
購入月を含む12月末までの経過月数を計算する
購入費÷償却率(購入金額により変動)×経過月数×FXでの使用割合
例として11月に20万円のパソコンを購入して、FX取引はパソコン利用の4割だとすると以下の額が算出されます。
20万円×0.25×2÷12ヶ月×0.4=3,333円
計算結果の3,333円が経費になります。
税務調査では経費に対しての確認が逐一行われます。 調査官は実務使用とプライベートの区別がつきにくいパソコンのような物については、特に細かい指摘をしてくるようです。
調査官を納得させることが、認められる経費を増やし発生する追徴額も少なく済ませるコツだといえます。そのため、税務のプロを納得させるだけの材料を揃えておく必要があるでしょう。
パソコンについてはトレード用の部屋を用意して、普段使いのパソコンと区別することで納得させやすくなります。さらに税理士と契約を交わしているなら、その方の経験やスキルによって手助けしてくれる場合も多いです。
いずれにせよレシートやノートに詳しい内容を記載しておくことで、納税者の求める経費を通しやすくなります。
FXでは経費の持ち越しが不可能となっています。つまりFXの経費は使用した翌年の確定申告でしか処理が出来ません。
パソコンは例外として、金額により減価償却の期間が変動します。取得金額が高いと最長4年分に分割して経費として計上されます。
通常の費用については購入年の経費となるので注意しましょう。またFXの取引で発生した損失については、3年間の繰越が可能になっています。
FXの取引による損失は繰越控除の手続きをすることで、来年以降3年分の利益と相殺が出来るようになっています。
前年度に取引利益が赤字であれば、今年度に発生したFXの利益からマイナスすることが出来るでしょう。
そのため損失だけが発生していても、今後のことを考慮して確定申告を行うメリットがあります。繰越控除は申告分離課税が認められているFX取引ならでは利点だといえます。
確定申告では経費を増やして所得を少なく見せることで、支払う税金を減らすことがポイントです。また1年の成績がマイナスでも繰越控除を申請すると、翌3年までの利益に対して相殺することが出来る点も意識しておきましょう。
個人事業主として申請を出すと、青色申告で受けられる特別控除額も大きくなります。安定した収入があるならぜひ申請しておきましょう。
税務調査に入られたさいは経費について細かい追求が行われます。調査官を納得させるためにもレシートや領収書、ノートなどに詳しい情報を記録しておくのが重要です。
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