移動平均線の基礎や種類を理解する
移動平均線を使ったエントリーポイントの決め方
移動平均線を用いたトレード例
移動平均線は、FXトレードにおいてもっとも使用されているテクニカル分析のひとつです。
移動平均線を使ってエントリーポイントを決定する グランビルの法則や、ゴールデンクロス・デッドクロスなどは、一度は聞いたことがあると思います。
初めてFXにチャレンジする人にも扱いやすく、中・上級者では当たり前に使っている分析手法ですので、 しっかりと身につけることが勝率アップへの近道です。
本記事では移動平均線の基礎から、例を使った実践まで詳しく解説します。
移動平均線とは、過去一定期間における為替レートの平均値を求め、それを線で結んだものです。
移動平均線を使うと、 今のトレンド状態や方向性、エントリーポイントなどが確認できます。
たとえば10日間の移動平均線であれば、 直近10日間の終値を合計し10で割った数値を出し、翌日も同様に出した数値を線で結んでいきます。
移動平均線には以下の3種類があります。
SMA (Simple Moving Average) : 単純移動平均線
WMA (Weighted Moving Average) : 加重移動平均線
EMA (Exponential Moving Average) : 指数平滑移動平均線
それぞれについて特徴を解説していきます。
SMAは一定期間の終値を平均したものです。
もっとも単純な計算のため、相場の急激な変動時には心もとないものとなってしまいます。
WMAは直近の価格に比重を置いた平均線です。
たとえば10日平均線であれば、10日目の終値を10倍、9日目の終値を9倍、といったように、直近の価格に重みを持たせて算出します。
これによりSMAのデメリットを軽減し信頼性を高めています。
EMAはWMAにさらに複雑な計算を加えたものです。
相場の動きには対応しますが、 だましが多くなるというデメリットが生じます。
このようにそれぞれ一長一短があり、どれが一番よいのかは一概には言えません。
ただEMAを使っているトレーダーは多く、初めて移動平均線を扱う方はEMAから始めることをおすすめします。
平均線には「移動平均線」と「期間移動平均線」があり、2つは仕組みが全く異なるものです。
間違えると意図しない平均線となってしまうので注意してください。
○日移動平均線 : 過去○日間の為替レートの平均値
○期間移動平均線 : ローソク足○本分の平均値
期間移動平均線は期間を200に設定した場合、ローソク足が200本分となります。
これを200日の期間としたい場合は、 日足チャートでは期間を200に設定、4時間足チャートなら期間は2,400に設定することになります。
日足の移動平均線をローソク足で出すには計算が必要ですが、計算方法は以下の通りです。
1時間=15分×4
1日=1時間×24
21日=1日×21
4×24×21 = 2,016本
よく使われる数値の表が以下の通りです。
自分のトレードスタイルにあった設定は覚えておくとスムーズです。
移動平均線は、向き・角度・ローソク足との位置関係を把握することにより相場環境を確認でき、トレードを組み立てる参考となります。
移動平均線の向きによって 「トレンドの方向性」を認識します。
当然のことながら、移動平均線が上向きであれば上昇トレンド、下向きであれば下降トレンド、横ばいであればレンジ相場です。
上昇トレンドは買い、下降トレンドは売り、横ばいのときは様子見、といったように考えます。
移動平均線の角度は、 「トレンドの強弱」を表します。
角度が急なほど強いトレンドであること証です。
相場は常に上昇と下降の波を繰り返しているため、急激な上昇はいつか弱まり、下向きへと変わります。
移動平均線を引くことによってトレンド転換のタイミングを見極めます。
移動平均線に対するローソク足の位置によって、6パターンに分けられます。
上向き×上と下向き×下は、 為替レートが移動平均線を超えている状態で、強いトレンドが形成されていることを示しています。
一方上向き×下と下向き×上は、 為替レートと移動平均線が逆行している状態で、トレンドが強い場合には移動平均線に引き寄せられる可能性があります。
このように移動平均線の向きとローソク足の位置に着目し、トレード手法として確立されたのが、有名な「グランビルの法則」です。
グランビルの法則は米国のジョセフ・グランビルが考案した手法で、 相場と移動平均線との関係を利用した8つのチャートパターンです。
買いのエントリーポイント4つ、売りのエントリーポイント4つを判断でき、多くのトレーダーがこのグランビルの法則のパターンを判断ポイントとしています。
8パターンと言えっても、買いと売りは基本的に逆パターンとなりますので、片方4つを覚えてしまえば大丈夫です。
移動平均線が下向きから横ばいか上向きに変化し、レートが上抜け
下向きの移動平均線が横ばいか上向きに変わり、レートがそれを上抜けたタイミングは、 下降トレンドから上昇トレンドに転換するシグナルです。
移動平均線が下向きの状態でレートが上抜けても、それはトレンド転換とは判断できないので注意ください。
移動平均線が上向きの中、レートが下へ乖離
移動平均線が強く上向きであれば、一時的な価格下落は反発し上がってくる可能性が高いため、 買いで入ります。
移動平均線が上向きの中、レートが近づき反発
上向きの移動平均線が支持線・抵抗線となるため、 反発後に再度移動平均線に向けて上がっていく可能性があります。
ただしだましの可能性もあるため注意ください。
移動平均線が下向きの中、レートが下に大きく乖離
下向きの移動平均線をさらに剥離していくタイミングでの買いは、 逆張りとなるのでリスクの高い手法ですが、グランビルの法則では自律反発を狙うポイントとして挙げられております。
移動平均線が上向きから横ばいか下向きに変化し、レートが下抜け
売りは買いとは逆の見方になります。
下降トレンドへの転換は売りです。
移動平均線が下向きの中、レートが上へ乖離
移動平均線が強く下向きとなっていることを確認しましょう。
移動平均線が下向きの中、レートが近づき反落
だましに注意し、 移動平均線を支持線・抵抗線として見てタイミングを計りましょう。
移動平均線が上向きの中、レートが上に大きく乖離
逆張りの手法ですので、リスクの高い手法です。
グランビルの法則と並び有名な移動平均線によるトレード判断の方法に、「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」と呼ばれるものがあります。
ゴールデンクロスとデッドクロスは、 異なる期間の2本の移動平均線の交差に注目します。
短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上へクロスするのがゴールデンクロスです。
この場合、上昇トレンドへ切り替わるサインとなります。
ゴールデンクロスとは反対で、 短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下へクロスすることをデッドクロスと呼びます。
この場合、下降トレンドへ切り替わる可能性が高くなります。
移動平均線は期間によって特徴が違うため、 目的に応じて期間を決める必要があります。
長期のトレンド把握には、取引市場が1年間で約200日開かれるため、200日移動平均線を使用するとよいです。
短期のトレンド把握には、1週間 (5営業日分) の5日や1ヶ月 (20営業日分) の20日が利用されます。
短期移動平均線は相場の値動きに反応しやすく、短期のトレンドが把握しやすい特徴を持っています。
スキャルピングやデイトレードに向いていますが、 移動平均線がブレやすいためだましが多いのが難点です。
だましを避けるためには、最初のシグナルですぐには手を出さないことです。
長期移動平均線は、相場の動きに対する反応は遅いものの、だましは出にくい特徴を持っています。
75日 (3ヶ月)や200日 (1年間) などがよく使われ、スイングトレードや長期運用に向いています。
おすすめの移動平均線の組み合わせは以下を参考にしてみてください。
グランビルの法則を使ってエントリーポイントを決めるコツを、 上昇トレンドから下降トレンドへ転じる場合のチャートで説明していきます。
まず短期・中期・長期の3本の移動平均線をチャート上に表示します。
上昇トレンドから高値切上げが終わると、下降を始めた短期EMAを下抜けさらに中期EMAも下抜けるポイント、ここがまず売りのエントリーポイント「移動平均線が上向きから横ばいか下向きに変化し、レートがそれを下抜け」です。
その後、長期EMAまで一気に下落し、長期EMAでいったん反発します。
短期EMAを上抜けましたが、下向きの移動平均線を上抜けてしまった場合は、買いのエントリーポイントとはならないので注意です。
グランビルの法則はわかりやすくエントリーポイントを教えてくれます。
しかしだましも多く、すぐに反転してしまうこともあるため、 ほかの指標を組み合わせて精度を上げましょう。
移動平均線のゴールデンクロスとデッドクロスを使ってエントリーポイントを決める方法があります。
短期移動平均線が長期移動平均線を上に突き抜けたポイントで買い
短期移動平均線が長期移動平均線を下に突き抜けたポイントで売り
ほかのテクニカル指標と組み合わせて使うことによりシグナルの信頼性を高め、だましを回避することが重要です。
「MACD」や「RSI」といったオシレーター系の指標と組み合わせて相互に同じシグナルが出ているかを確認し、判断の根拠を強めましょう。
水平線・トレンドラインを組み合わせて考えてみましょう。
まず下降トレンドから逆三尊 (トリプルボトム) を形成した後に反発し、短期EMAを上抜けしますが、水平線 (ネックライン) をまだ抜けていないため、ここでは様子見。
水平線を抜け、中期EMAを上抜けしたところと、長期EMAを上抜けしたところが買いのエントリーポイントとなります。
上昇が続いた後、上昇トレンドラインはブレイクのポイントを示し、下向きに変わった短期・中期EMAを下抜けするところは、 トレンドライン・グランビルの法則ともに売りのシグナルのため、売りのエントリーポイントとなります。
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デイトレード・長期運用したい人
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移動平均線を活用すると、 エントリーポイントが素早く判断できます。まずは自分のトレードに合った設定期間を理解し、チャート上でトレンドを把握できるようになりましょう。
そこから他の指標と組み合わせることによって、勝率がぐっと上がるはずです。移動平均線は基本的な分析のやり方でありながら、 行う際に留意する点が多い分析方法の一つです。
実際に取引を行う際にはもう一度この記事を見直して要点をおさらいしてください。
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