【ニューヨークを制すものはFXを制す】 ニューヨーク時間の戦略の全て！

FXは平日24時間取引できます。しかし時間によって相場の特徴が変わるため、特徴をきちんと把握しておくことが大切です。

ニューヨーク時間はトレーダーの多くが参加し、取引が頻繁に行われます。ニューヨークは世界経済の中心地であり、FXでも大変重要です。

本記事ではFXのニューヨーク時間についてお伝えします。ニューヨーク時間における戦略の立て方や戦術もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

FXのニューヨーク時間についての基礎知識

まずはFXのニューヨーク時間についての基礎知識からお伝えします。

外国為替市場とは

株式市場には「東京証券取引所」のように建物が存在します。 しかし外国為替市場には建物がありません。

金融機関を通じて外国為替を行う、 インターネット上のシステムが外国為替市場です。参加するトレーダーは電話やパソコンなどを使い、通貨を売買します。

FXはインターネット上で売買を行うため、 24時間取引が可能です。

FXの為替市場を地域および時間で分けると、市場は以下のようにまとめられます。

ヨーロッパ市場やニューヨーク市場のように地名がついていますが、明確には定義されていません。各地域の取引時間にあわせ、大まかに名称がつけられているのです。

「オセアニア地域では5時から14時に市場が開いているんだ」という風に、感覚的に覚えておきましょう。

なお ロンドン市場、ニューヨーク市場、東京市場の順に取引量が多く、「3大市場」と呼ばれています。

日本時間の18時から25時の間は、ロンドンやニューヨークで取引が活発化するのが大きな特徴です。値動きも激しくなります。

ニューヨーク市場の時間

ニューヨーク市場が開いているのは 22時から7時です。

21時から2時はロンドンとニューヨークの2大市場が開いているため、特に取引が活発になります。

2時を過ぎるとヨーロッパ市場が閉じ、徐々に値動きは落ち着きますが、 要人発言や金融政策の発表には注意しましょう。

サマータイム

アメリカではサマータイム制を導入しています。サマータイムが実施されるのは 3月の第2月曜日から、11月の第1日曜日までです。

サマータイム期間中は1時間早くなり、ニューヨーク市場は21時から6時まで開いています。

またサマータイム期間中は取引時間だけではなく、 経済指標の発表なども1時間早まるため、注意が必要です。

サマータイムを忘れてしまい、取引時間や経済指標の発表時間を誤ると、FXの損失につながります。しっかり念頭に置いておきましょう。

時差について

ニューヨーク時間ではサマータイム期間中と通常時間で、1時間の時差を生じます。

日本時間で過ごしていると見落としやすいため、くれぐれも気をつけましょう。

休日について

ニューヨーク市場は土日が休みです。

祝日も通常通り営業はしますが、 多くのトレーダーが祝日は休むため、値動きが少なくなったり、スプレッドが広がったりします。以下は2020年におけるアメリカの祝日の一例です。

アメリカは各州で定めている祝日もあります。 州によっては上記以外にも祝日があり、FX取引時には注意が必要です。

ロンドン時間と重なっている

ニューヨーク時間はロンドン時間と5時間ほど重なっています。

ロンドン市場は取引量が世界1位、ニューヨーク市場は次いで2位です。 2大市場が重なる時間帯は大量に取引され、1日でもっとも取引量が多くなります。

さらにドイツのフランクフルト市場、フランスのパリ市場などヨーロッパの各市場ともオープン時間が重なり、 値動きが激しい時間帯です。

アメリカやヨーロッパなど多くの国で参加者が増えるため、 ニューヨーク時間は取引が活発化します。

ニューヨーク市場の特徴

21時過ぎにニューヨーク市場が開き、 アジア勢やヨーロッパ勢にアメリカの参加者が加わります。

仲値が決まる時間の「ロンドンフィックス」は午前1時です。月末はユーロやポンドの値動きが激しい傾向にあります。

ロンドンフィックスは投資信託の設定にも使用されるため、注意しましょう。ドル/円の値動きに影響する場合があります。

なおサマータイム期間中のロンドンフィックスは、午前0時です。

相場変動が多くて取引のチャンスが多い

ニューヨーク市場の取引量は世界2位ですが、為替相場の変動量はロンドン市場を上回っています。

ニューヨーク市場で変動量が多いのは ニューヨークが「世界経済の中心地」で、ドルの保有国である点が主な理由です。

よってニューヨーク市場は相場変動が多く、取引チャンスも多々あります。 ドルとクロスしている通貨ペアで相場に大きな変化が見られます。

経済指標の影響が大きく出る

ドルは世界の基軸通貨のため、ニューヨーク市場はアメリカの経済指標の影響を大きく受けます。

ニューヨーク時間にはアメリカの多くの経済指標が発表されるので、しっかりチェックしておきましょう。

経済指標の発表前後は値動きが激しく変化する場合があります。

なかでも 毎月第1金曜日に発表される「雇用統計」は、ほとんどの通貨ペアの相場が大きく変動する可能性があり、注意が必要です。

雇用統計は通常時間では22時30分、サマータイム期間中は21時30分に発表されます。

FXにおけるニューヨーク時間の特徴

FXにおけるニューヨーク時間の特徴をお伝えします。

常に活発というわけではない

ニューヨーク時間はアメリカ以外に、ヨーロッパや中東などさまざま国の市場と開いている時間が重複します。そのため 取引が活発な時間帯です。

しかしニューヨーク時間は常に活発というわけではありません。

ニューヨーク時間で 取引が特に活発な時間帯は、ロンドン市場や中東と取引時間が重複する日本時間22時から1時までです。サマータイム期間中は21時から24時にあたります。

この時間帯を過ぎると次第に落ち着き、値動きはおとなしくなっていきます。

22時～2時

ロンドン時間は通常時間で18時から3時、サマータイム期間中は17時から2時までです。

ニューヨーク時間とロンドン時間が重なる22時から2時までの間は、ニューヨークのヘッジファンドや機関投資家が売買し、取引が盛んになります。

さらにアメリカの経済指標が発表されるのもこの時間帯です。 世界中のトレーダーが注目し、為替相場が大きく変動しやすいため、注意しましょう。

2時～7時

日本時間2時から7時は、ニューヨーク時間では午後です。2時までに取引を終わらせた機関投資家が撤退し、2時以前よりも相場は落ち着きます。

週明けにポジションを持ち越すことを避けるため、 ニューヨーク時間の金曜日の午前中には多くの投資家が取引を行い、午後はその反動でさらに静けさが増す印象です。

オセアニア市場のオープン時間が近づく4時頃、FOMC政策金利が急に発表される日もあります。

ポジションを持ち越さなければ影響は弱いですが、 スイングトレードで取引する人は注意しましょう。

FXのニューヨーク時間に注意すべきポイント

FXのニューヨーク時間に注意すべきポイントを、しっかり把握しておきましょう。

経済指標

次の経済指標はFX取引に影響する可能性が高いため、見落とさないように注意してください。

雇用統計

雇用統計は基本的に 毎月第1金曜日に発表されます。発表時間は 通常時間は22時30分、サマータイム期間中は21時30分です。

ニューヨーク市場で雇用統計が注目される理由は、次の3つが挙げられます。

雇用統計の発表内容を受け、米国中央銀行 (FRB) が金融政策を行います。

10数項目のカテゴリーが発表されますが、 「非農業部門雇用者数」「失業率」「平均時給」の3つは特に注目しましょう。アメリカは終身雇用ではないため、結果次第では相場が影響を受けます。

GDP

アメリカのGDPは 4月、7月、10月、1月の各下旬頃、3ヶ月おきに発表されます。発表時間は22時30分、サマータイム期間中は21時30分です。

アメリカのGDPはおよそ70％を個人消費が占めています。 景気が好調なのか不調なのかを判断する、大切な経済指標です。

なかでもGDPの速報値は市場に影響を及ぼすため、見逃せません。 FXで取引するなら、雇用統計とあわせて必ずチェックしておきましょう。

FOMC政策金利

FOMC政策金利は原則として、 6週間ごとの火曜日に発表されます。

発表されるのは 4時15分、サマータイム期間中は3時15分です。火曜日と水曜日の2日間かけて発表される場合もあります。

FOMC (連邦公開市場委員会) が発表する、短期的な指標となる金利です。

アメリカでは現在、長期金利政策が続いています。 金利は多大な影響力を持ち、国債や貿易に影響を与える他、今後の景気を判断する重要な材料です。

FXでも影響を受けやすいため、忘れずに確認しましょう。

ニューヨーク時間のFX取引するコツ

ニューヨーク時間でFX取引する場合、以下を意識しましょう。

ニューヨーク時間はトレンドを形成しやすい

トレンドとは一定時間、上昇または下落のうち片方に集中して動く為替相場のことです。

ニューヨーク時間はトレンドを形成しやすいため、利益を狙いやすくなります。数時間トレンドが続けば、利益を積み上げられるでしょう。

トレンドを見極めるまでは経験を要するため、初心者にはスキャルピングがおすすめです。短い時間で取引するため、損失が出る可能性は低いといえます。

経済指標が発表されると値動きが激しくなりやすいので、発表時に取引を控えるとリスク回避できるでしょう。

スプレッドについて

前述したように、 ニューヨーク時間は日本時間の22時から7時です。サマータイムでは21時から6時まで開いています。

ニューヨーク時間は参加者がもっとも多く、取引が非常に活発です。取引量が多いため スプレッドは狭く、実質的なコストを下げて取引できます。

コストを下げれば取引が安くで済むため、ニューヨーク時間は利益を上げやすい時間帯です。

ただし雇用統計やGDPなどの経済指標が発表される日は、為替レートが急に激しく動く場合もあります。スプレッドも急に広がる可能性があるので、注意しましょう。

また大統領をはじめとした要人発言、大きなニュースなどにより スプレッドが突然広がるケースもあります。

スプレッドが狭いと利益を出しやすく、反対にスプレッドが広ければ利益を出すのは困難です。

ニューヨーク時間にFX取引をはじめる前には、 現在のスプレッドやニュースをきちんと確認しておきましょう。

イベント時のポイント

ニューヨーク時間に取引する際は、ニュースなどでイベントがないか確認することも大切です。

特に経済指標の発表前は世界各国のトレーダーが様子を伺い、相場は一定幅しか動きません。

ニューヨーク時間に経済指標の発表などのイベントがある場合、次の2点がポイントです。

発表後にトレンドが発生しても、注文を入れ過ぎるのは禁物です。どこで損切りするか、事前に幅を決めましょう。

オプションカットに注意する

ニューヨーク時間には通貨オプションの権利を行使する、締め切り時間を設けています。「オプションカット」とはその最終的な締め切り時間のことです。

たとえば通貨オプションとして、1ドル=100円の際に、1ドル=99円で購入できる権利を所有しているとします。

99円よりも円安だと権利が行使されて買い手に有利となり、99円よりも円高だと権利が行使されません。

もし通貨オプションを売った側が「為替レートが不利な状況になる」と判断できれば、ドルを用意する必要があります。

通貨オプションの買い手は購入後に予想通りの為替レートになれば、オプションの行使を決定して行使前にドルを売れば問題ありません。

このようにオプションカットでは 売り手と買い手それぞれの思惑により、取引が交錯します。

オプションカットの時間帯はオプションの動きを伺う人が増え、値動きが活発化しやすいので注意しましょう。オプションカットの前後ではトレンドが転換する可能性もあります。

FXにおけるニューヨーク時間の戦略の立て方

ニューヨーク時間の戦略の立て方を見てみましょう。

トレンドをフォロー

ニューヨーク時間はロンドン市場をはじめ、ヨーロッパや中東などの市場とも取引時間が重なり、動きが活発になります。 22時から2時までがもっとも活発です。

多額の資金で取引する機関投資家も多いためトレンドが形成されやすく、さらにそのトレンドは長時間続く傾向にあります。

ニューヨーク時間で生じたトレンドは、 大きなトレンドになりやすいのも特徴です。 逆張りはせず、トレンドをフォローしましょう。

またニューヨーク時間のトレンドは、ロンドン市場のクローズとともに終わる傾向も見られます。ニューヨーク時間の午後は 要人発言や重要な経済指標の発表がない限り、ほとんどレンジ相場へ移るでしょう。

経済指標が発表されると、予測できない方向へ相場が動くケースが多いので、トレードは控えるのが無難です。

通貨ペアを考える

ニューヨーク時間はドルが関わる通貨ペアの取引が活発化します。原則として、 ドルストレートの通貨ペアで取引しましょう。

ニューヨーク時間は値動きが大きいため、日本人の参加者も多い時間帯です。クロス円の通貨ペアのなかでも、ユーロ/円やポンド/円は値動きが大きく変わりやすい傾向にあります。

ニューヨーク時間で特に値動きが大きくなりやすいのは、ユーロ/ドルです。取引量が多いためレンジ相場になる場合があるものの、レンジを抜ければトレンドは長く続くでしょう。

またニューヨーク時間ではポンド/ドルもよく取引されます。 ポンド/ドルはユーロ/ドルよりも値動きが大きいため、スキャルピングで取引する人も多いようです。

トレンドを捉えるテクニカル指標を選ぶ

ニューヨーク時間は値動きが大きいので、 トレンドが発生すると大きな利益を生じやすいのが魅力です。

トレンドをうまく捉えるために、テクニカル指標を活用しましょう。

トレンドの発生を捉える代表的なテクニカル指標は「平均足」です。 平均足の他に、MACDやストキャスティクスなどの指標も組み合わせ、相場を見極めましょう。

適切なテクニカル指標を選んでダマシを避ければ、ニューヨーク時間のトレンドにうまく乗れます。

初心者は避ける

ニューヨーク時間は参加者が多く、トレンドが発生しやすい時間帯です。東京時間よりも値動きが激しく、短期間で大きな利益を生み出す場合もあります。

魅力的な時間帯ではありますが、 FX初心者には難易度が高いため気をつけましょう。

チャート分析に慣れないうちは値動きに振り回されやすいので、ニューヨーク時間での取引は避けるのが賢明です。

初心者はまず、値動きが比較的緩やかな東京時間で取引しましょう。経験を積んだ後、ニューヨーク時間にチャレンジするのがおすすめです。

ニューヨーク時間のFXトレード戦術

ニューヨーク時間のFXトレード戦術を、短期投資と長期投資に分けてご紹介します。

短期投資の人の戦術

ニューヨーク時間の短期投資では「ニューヨークボックス」と呼ばれる手法がおすすめです。アメリカ人の投資家であるロブ・ロッカー氏が開発したFXの手法で、 かんたんなルールで取引できます。

ニューヨーク時間の24時から7時までの間でボックスを作るのがポイントです。ニューヨーク時間が開始したら、ボックスの終値がブレイクした時点で順張りを行いましょう。

上方向にブレイクすれば買い、下方向にブレイクすれば売りでエントリーしてください。

長期投資の人の戦術

ニューヨーク時間で長期投資する人は、東京時間やロンドン時間と同様の取引を行っても構いません。

ただし雇用統計が発表されると、為替相場が大きく変動しやすくなります。資金があまり用意できず、 証拠金維持率が不安な人は、雇用統計の発表時にポジションを保有するのは控えましょう。

雇用統計の発表後に相場が落ち着いてから、取引を行うのが賢明です。

日足でニューヨークボックスを見て、ボックスがブレイクした際に取引するのも良いでしょう。

FXのニューヨーク時間に関するよくある質問

FXのニューヨーク時間に関するよくある質問にお答えします。

Q : ひとことで言うとニューヨーク時間の特徴はなんですか？

ニューヨークは世界経済の中心地で、基軸通貨のドルを保有しています。 相場が激しく動くのが特徴です。

取引量はロンドン市場に次いで世界2位ですが、為替の変動量は世界第1位を誇ります。値動きが大きい時間帯です。

Q : ニューヨーク時間で特に注意が必要な経済指標はなんですか？

ニューヨーク時間で特に注意が必要な経済指標は 「雇用統計」「GDP」「FOMC政策金利」の3つです。

いずれもFXで重要視されている指標なので、忘れずに確認しておきましょう。

Q：ニューヨーク時間のおすすめの取引方法はなんですか？

ニューヨーク時間はトレンドが生じやすいため、 短時間で大きな利益を出しやすいスキャルピングがおすすめです。

FXのニューヨーク時間に関するまとめ

FXのニューヨーク時間は、ヨーロッパ市場や中東市場と時間が重なっています。参加者が大変多く、多数の取引が行われる時間帯です。

日本時間22時から2時までは、特に相場の動きが激しくなります。スプレッドが狭く、利益を狙いやすい時間帯です。

ただし経済指標の発表時や要人発言があった際は値動きが大きく変わる恐れがあるため、注意しましょう。

ニューヨーク時間の特徴を活かして、ぜひFXで大きな利益を狙ってみてください。