FXの三尊とは？エントリーポイントや注意点まで徹底解説！

三尊天井・逆三尊は株式投資でよく使われてきたテクニカル分析ですが、FXにも当てはめて使われています。

トレンド転換のサインとして重要視されており、 身につけることでトレンド転換するタイミングの把握や、トレンド継続なのかレンジ相場移行なのかを見極められるようになります。

本記事では三尊天井・逆三尊の形成からエントリーポイントのタイミングまで説明します。

FXの三尊天井 (三山)・逆三尊の基礎知識

三尊・逆三尊とは

FXでトレンド転換する際、チャート上に「三尊天井 (トリプルトップ)」「逆三尊 (トリプルボトム) 」と呼ばれる形が出ることがあります。

三尊天井・逆三尊は、 トレンド転換のシグナルうとして活用されますので覚えてください。

三尊とは仏教の阿弥陀三尊のことを意味しており、阿弥陀如来の両脇に観世音菩薩、勢至菩薩が配置される三体の像です。

トレンドが転換するタイミングで出現する

三尊天井や逆三尊は、 相場のトレンドが転換する際に現れます。

三尊天井・逆三尊のタイミングは取引の狙い目のため、高値圏・安値圏では多くの投資家が出現をチェックしています。

FXの三尊天井 (三山) について解説

三尊天井 (三山) の特徴

三尊天井は、 上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示します。

高値圏内において3つの山の内、真ん中の山が一番高い形で形成されます。

三尊天井 (三山) は売りシグナル

三尊天井の発生は、これまでの上昇トレンドが終了し下降トレンドに転換する確率が高く、 売りシグナルとなります。

三尊天井 (三山) の仕組み

三尊天井は、3つ目の山からレートがネックラインを下に抜ければ完成です。

高値圏で売りと買いのせめぎあいがおこり、 買い圧力優勢から売り圧力優勢へと相場の変化しやすいポイントが、ネックラインとなります。

三尊天井と三山の違い

三山は三尊天井と混同されやすいですが、 正しくは3つの同じ高さの山が出現する場合を三山と呼びます。

三山も三尊天井と同様に、上昇トレンドから下降トレンドへの転換を示唆します。

三尊天井 (三山) が現れた際の傾向

三尊天井が現れた際は、 ネックラインを下に抜けたタイミングが下降トレンドへの転換シグナルで、エントリーポイントです。

ただし実際の相場では、阿弥陀三尊像のように絶妙のバランスでチャートが形成されるわけではありません。

高値圏内で3つの山が形成された場合は、多少高さにばらつきがあっても三尊天井もしくは三山の可能性があると考えましょう。

エリオット波動など他のテクニカル分析でも高値をつけた可能性がある場合には、下降トレンドとなる可能性が高くなります。

三尊天井 (三山) の「だまし」

三尊天井のだましとは、三尊天井からネックラインをブレイクしたものの、 下降トレンドへ転換することなく上昇トレンドが継続となり、三尊天井を超えていくことを表します。

この場合、三尊の高値より少し上のラインにストップロスを置くことで大きな損失を避けます。

FXの逆三尊について解説

逆三尊のチャートの特徴

逆三尊は、 下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示します。

三尊天井とは逆で、安値圏内で3つの山の内、真ん中の山が一番低い形で形成されます。

逆三尊は買いシグナル

逆三尊ができると下降トレンドは上昇トレンドに転換しやすくなるので、 買いシグナルになります。

逆三尊の仕組み

逆三尊は、3つ目の山からレートがネックラインを上に抜ければ完成です。

最初に付いた底値の反発は戻りが限定的です。

再び下落し2回目は底値を更新したところで反発、最初に戻したあたりまで価格を上げますが、レジスタンスラインを超えられず三度反落します。

しかしこの反落は2度目ほど下落することなく反発。

2度反発しネックラインを抜けたところから、上昇トレンドへ転換します。

逆三尊のチャートの動き

逆三尊が出現する場合は底値を探る相場展開となっています。

売り圧力により価格が急落し、下げ過ぎた反動からの買戻しによって上昇という動きを繰り返すことで形成されるのが逆三尊です。

逆三尊が出現する場合には、以下のようなチャートの動きがあります。

逆三尊が現れた際の傾向

逆三尊が現れた際は、 ネックラインを上に抜けたタイミングが上昇トレンドへの転換シグナルで、エントリーポイントです。

逆三尊が形成されそうな状況のときは、ネックラインとチャネルラインを引きます。

逆三尊の右肩の位置は、左肩の高さと同じぐらいとなる位置に決まる傾向があります。

チャネルラインを引いたら、レートの動きを見て反発する位置をとらえましょう。

逆三尊の「だまし」

逆三尊にもだましが存在し、 逆三尊から上昇トレンドに転換しないままレンジ相場に突入してしまう形です。

だましにひっかからないためには、ネックラインをブレイクしたら上昇トレンドに転換、 ネックラインがそのままレジスタンスラインとなる場合にはさらに下落が続く、もしくはレンジ相場に移行すると考えます。

他のテクニカル分析と組み合わせて確認する手法として、ボラティリティがよく使われており、ボラティリティが高いままの場合はだましの可能性が高くなります。

FXの三尊天井 (三山)・逆三尊が現れた際のエントリーポイントと注意点

ネックラインをブレイクした時

三尊天井・逆三尊ともにエントリーポイントは、 ネックラインをブレイクアウトした時となります。

ただし三尊天井は、ネックラインをブレイクした時から急落することもよくあるので、タイミングを逃さないよう注意が必要です。

だましに引っかからないために

だましには十分注意してください。

ブレイクしたネックラインを再び超えてくる場合には、トレンド継続の可能性が残されているので、直前の高値あたりでロスカットをするようにしましょう。

最も注意するべきなのはトレンドの継続

三尊天井・逆三尊で最も注意するべきなのは、 トレンドの継続です。

トレンド転換せずにレンジ相場への移行した場合はまだマシですが、 トレンドが継続した場合は、大きな損失となる可能性があるため注意ください。

FXで三尊を使うなら必ず知っておきたいこと

他の酒田五法との見分け方

三尊をシグナルとする際に、酒田五法との見分け方について知っておくべきです。

酒田五法 (さかたごほう) とは、日本で江戸時代に開発され、多くの投資家に愛用され続けているテクニカル指標の1つで、「三山」「三川」「三空」「三法」「三兵」の5つのローソク足パターンで売買タイミングを判断します。

たとえば 三尊が現れているものの、三法も現れている場合は、真逆の予想が存在します。

このように相反する予想が出てくる場合もありますので、 知らないままだと誤った判断をする可能性が高くなります。

三山はこれまで説明してきたとおりですが、他の4つもとても有用なテクニカルなのでチェックしてみてください。

FXと株での違い

FXと株では酒田五法の使い方が異なります。

FXは24時間取引が可能なのでチャートに「窓」が空きにくく、窓を活かした酒田五法はほとんど使えません。

ただ 酒田五法は相場参加者の心理を反映した、非常に優秀なチャートです。

知っていればチャートからトレーダーの心理がわかり、予想が立てやすくなります。

FXの三尊に関するまとめ

三尊天井・逆三尊は、多くの投資家が注目する相場の中でももっとも過熱する時間帯です。

だましもあり全てに勝てるとは限りませんが、 使いこなすことによって勝率はかなりあがるでしょう。