FXで得た利益には20.315%の税金が発生する
繰越控除や経費、損益通算を活用して納税額が減らせる
正しく確定申告して納期を守り納税することが大切
FXで利益を出したトレーダーが次に気にすることは、確定申告や納税だと思います。納税は国民の義務であり、FXで利益を出すことで納税をしなければなりません。
しかし納税をするためには所得を算出する必要があり、計算の過程で賢く節税をすることで手元に残せる金額が多くなります。納税で気を付けることは正しい内容で、期限を守って納税することです。
本記事ではFXの確定申告についての知識や納税までの道筋、賢い節税方法などを解説しています。
FXでかかる税金は利益に対して20.315%です。 FXの収益は雑所得扱いになっていて、20.315%には所得税と住民税、さらに復興特別所得税が含まれています。
具体的な税率の内訳は以下の通りです。
雑所得は仕事をしているサラリーマンなどが、 一時的に副収入を得た場合の所得です。FXも一時的な収入として基本的に雑所得扱いになっています。
FXで発生した利益は確定申告を行い、利益分にかかる税金を納めないといけません。納税は国民の義務です。支払いを怠っていると支払いが滞納して納税金額が増加していくので、気を付けなければなりません。
FXの所得は雑所得として分類されています。雑所得は所得税法に分類されている9つの所得とは異なる所得です。
通常の所得については合計利益額に対して5~45%の累進課税が課されます。しかし FXでは分離課税のためどれだけ利益が発生しても、一律で20.315%のみ課税義務が生じます。
このため利益を多く出すほど、発生する納税金額の割合を減らすことが可能です。
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日の期間で発生した収益をまとめて、1年で発生した利益に対して税額を計算し税務署に報告する手続きです。確定申告後は決められた期間ごとに支払いが発生します。
確定申告の時期は2月16日から3月15日の間です。もし利益を上げていながら、確定申告時期に手続きができていないと、 余計な税金が発生してより多くの金額を支払わなければなりません。
FXで利益を上げていると、確定申告からは逃れられないです。めんどくさがって確定申告をしないと手元に残る金額が減っていくだけなので、しっかり時期を守りましょう。
FXで確定申告が必要にならない場合も存在しています。 FX取引で発生した利益については所得が20万円か、38万円を超えることで課税が必要です。
基準が2つ用意されているのは、対象者によって課税ラインが設定されているためです。これから対象者ごとに確定申告の必要ラインを紹介します。
給与所得が2,000万円以下の場合は、利益から経費を引いて20万円以上の所得が発生すると確定申告が必要になります。企業側は源泉徴収を行っているため、給与所得以外に収入がない場合は確定申告の義務がないです。
所属する企業にFXなどによる雑所得を知られたくないのなら、確定申告時に住民税支払いを「普通徴収 (自分で納付) 」にしましょう。なお給与所得が2,000万円を超えているのなら、所得金額にかかわらず確定申告をしなければなりません。
専業主婦の場合はパートの有無によって内容が変わります。
まずパートで働いていない場合は、利益から経費を引いて38万円を超えた場合に確定申告が必要になります。FXは雑所得に分類され、 FX以外の所得も含めて38万円以上の所得がある時に確定申告をしないといけません。
またパートに入っている人は年間給与額によって違いがあります。給与所得者は65万円の控除を受けられます。そのため 年間給与が65万円の場合の給与所得は0となり、雑所得が38万円を超えた時に確定申告が必要です。
年間給与が103万円の時は、FXの利益から経費を引いて20万円を超えた場合に確定申告をしなければなりません。
フリーランスで活動している人は、全所得から経費を引いて38万円を超えた場合に確定申告が必要です。
FXの収益は通常の場合、雑所得として扱われます。しかしFX取引を専業として活動しているトレーダーだと、事業所得として見られる場合もあります。事業所得で扱われると 特別控除や損益通算など税制上で様々な優遇を受けられるのが特徴です。
事業所得として認められるにはFXが仕事として独立しており、継続性と反復性がないといけません。以上の条件を満たさずに事業所得扱いで申告しても税務署からの指導が入ります。
一度税務署に問い合わせてみましょう。
確定申告に必要な書類は以下の通りです。
上に記した必要書類以外にも以下のような項目に該当する場合、証明書の提出および確定申告書への記入が必要です。
ふるさと納税、生命保険、医療費などの各種控除
FX以外の雑所得
税務署では問い合わせをすることで 必要書類の揃え方や確定申告書の記入方法など、確定申告に対する疑問に答えてくれます。
他にも税務の専門家である税理士に確認することもできるので、 一人で悩まずにその道のプロに確認するようにしましょう。
FXの確定申告では繰越控除という制度が適用されています。繰越控除とは発生した損失を3年間持ち越して、その間に発生した利益を相殺させることです。
つまり ある年に取引の結果として利益が出ずに損失となった場合でも、その後3年間にわたって発生した利益を相殺して所得を減らせます。
繰越控除を適用するには確定申告が必須です。そのため年間損益がマイナスだったとしても、 来年以降の納税負担を減らすために確定申告しておく方が良いでしょう。
繰越控除は1年間の取引結果として損失が発生した場合、 確定申告で結果を提出しておくことで来年以降の利益を相殺できる制度です。損失額は 以降3年間で発生した利益と相殺されます。
例として1年間のFX取引で200万円の損失が出たとします。その後3年間の取引でそれぞれ60万円の利益になった場合、200万円の損失と相殺されてそれぞれの年の所得は0になるということです。
4年目に関しては繰越控除の対象期間ではなくなるため、 仮に60万円の利益が出ても相殺されることはありません。
個人間のFX取引で損失を出した場合に確定申告をしておくと、 今後3年にわたって利益額と相殺される繰越控除が適用されます。
3年の間に大きな利益を出して税金が多く発生する場合でも、繰越控除が適用されることで損失額分だけ所得が減少します。
結果として合計所得は少なくなり支払う税金も抑えられるのです。利益を少しでも多く残せることで資金の余裕も出てきます。FX運用もしやすくなるので、積極的に活用しましょう。
法人口座でFX取引を行っている場合、個人とは違い最大9年の繰越控除が適用されます。さらに 平成30年4月1日以降で事業が始まった場合の繰越控除期間は10年です。
9年から10年間繰越控除できることで大きな損失が出ても問題なく相殺できるでしょう。もちろん損失は出ないことが一番ですが、 その年の経済状況や取引スタイルによって1年の取引結果が優れないこともあります。
マイナスな結果を9年から10年にわたってプラス分と相殺することで、損失も無駄なく活用できます。マイナスを活かして利益を多く手元に残すためにも、確定申告は忘れずに行っておきましょう。
税務署に確定申告をしたら、納税を行っていきます。納税方法は5つの手段が用意されています。
指定した金融機関の預貯金口座から振替納税をする方法
納税期限までに口座振替依頼書を提出しなければなりません。贈与税は振替納税をすることはできません。またインターネット銀行やインターネット支店では、 振替納税が利用できない場合もあります。
インターネット上 (e-Tax) で電子納税を行う
納税前に開始届出書の提出が必要です。
クレジットカードを使って納税する
インターネット上から「国税クレジットカードお支払いサイト」にアクセスして支払い可能です。
コンビニから納税する
30万円を上限に納税可能です。 国税庁HPでコンビニ納付用QRコードを作成後納税できます。
現金で納税する
金融機関か所轄税務署から納税できます。税務署か所轄税務署管内の金融機関にある納付書を使用して納付可能です。
納税期限はしっかり確認する必要があります。2019年1月1日~2019年12月31日の所得に対する確定申告期間は、コロナウイルスによる影響もあり4月16日以降もできるようになりました。
また 対象の期間に納税できなかった場合は、延滞税や無申告加算税等が課されます。
納税を行う場合は期限に間に合うようにしましょう。詳しい納税タイミングは以下のリンクを参考にしてください。
FX取引では1年の取引結果として利益ではなく損失が上回ることもあります。その場合でも確定申告をすることで繰越控除制度が適用されるため、 損失が出た場合でも確定申告をするメリットがあるでしょう。
損失を確定申告することで、個人口座で取引をしている場合は3年間までは発生した利益から、申告していたマイナス分を相殺できます。
繰越控除制度の注意点として 繰越で利益が減少したことを申告しなければならないので、毎年確定申告をするように心がけましょう。
賢く納税額を抑えるには経費の計上も重要な要素です。確定申告の時には納税金額を出す必要があり、 納税金額の算出方法は利益から経費を差し引くことで出されます。
経費を多く計上することで結果として納税金額も大幅に減らすことが可能です。経費は FXに関する書籍やセミナーなどの勉強代はもちろん、専用のツールや取引手数料、振込手数料といった直接関係ある費用が対象です。
またWIFI代や家賃などFXのためだけに使用されない分に関しては、使用割合などを算出して経費計上をすることになります。
FX取引はFX会社の口座を利用します。会社によって特徴やツールの性能は異なるため、複数の会社で取引をしているユーザーも多いでしょう。
納税計算をする時は利用口座をすべて合算して利益と損失をまとめられます。会社が違ってもかまいません。
FX取引は雑所得の中でも「先物取引に係る雑所得」となっています。同じ先物取引ならまとめて申告することもでき、損失分は所得からマイナスされます。
この税金は 本来の申告期間を経過したさいに発生する罰金です。原則として50万円までの課税金額には15%が発生し、50万円以上では20%が上乗せされます。無申告加算税は税務署調査前に自主的な期限後納付をすることで5%まで軽減されます。
中には例外もあり、以下のケースを満たすことで無申告加算税は適用されません。
"期限後申告が法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。
期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に該当すること。
(1) その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
(2) その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。"
出典:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
実際に支払う金額より少なめに申告した場合に、申告額との差額に合わせて課される罰金です。計算式は以下の通りです。
(本来納付すべき金額-納税額) ×10%
故意に利益を申告しないか、少なく申告するような、悪意を持って税金逃れをしているとみなされる場合に課されます。加算額は35%か40%となっており、期限後申告や無申告の場合40%が適用されます。
延滞税は申告が期限内に行われ、納税自体が期限から遅れた場合に課される罰金です。延滞税率は年度によって変化しており、また納期限の翌日から数えて2月を過ぎるかどうかで変動します。
延滞税の計算は法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて発生し、利息扱いで自動的に課されます。
損益通算は「先物取引にかかわる雑所得等」なら会社に関係なく損益通算可能です。そのため異なるFX会社で取引をしていても、それぞれの口座で損益を出し、所得をまとめる損益通算が行えます。
FXと株式投資では所得区分が異なっています。そのためFXと株式投資損益通算は不可能です。
FXと損益通算できる金融商品では株価指数先物や商品先物、さらにCFDが該当します。
現在の状況では確定申告書の受理にマイナンバーは必須でないようです。しかしマイナンバーと個人情報の紐付けが検討されているように、 今後の流れとしてマイナンバー情報が必須になると思われます。
FXは雑所得の中でも分離課税として納税額が20.315%で定められています。
大きく稼いでも税率は変わらないため、税額計算も行いやすいです。
納税金額を軽減する方法は繰越控除や経費、損益通算といった方法が利用できます。賢く納税額を減らすことで投資資金を多く残せます。
注意点として確定申告後は期限に遅れないように納税しましょう。また無申告や申告内容に虚偽があると、必ず税務署に目を付けられ結果としてより多くの税金を負担することになります。
素直に申告して支払うことが重要です。故意に税金逃れをするのはやめましょう。
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