東京時間と欧米時間は何が違うのか?その違いが理解できる
東京時間の特徴や相場の流れがわかるようになる
東京時間のトレード戦略が組み立てられるようになる
2020年時点で 東京市場はFX取引高が世界第5位と、欧米に比べてそれほど取引量は多くありません。
以前はロンドン市場、ニューヨーク市場と肩を並べる世界3大市場と呼ばれていたときもありましたが、現在はそこまでの勢いもなく衰退しています。
そのため東京時間は極端なトレンドが発生する確率は低く、日常的にレンジ相場になりがちです。
そのため東京時間でトレードをするときは、欧米市場とは違った戦略を立ててトレードに臨まなければなりません。
ここでは東京時間の特徴や相場の流れ、トレードのやりかたについて解説いたします。
FXは土日を除く24時間取引ができる金融商品です。
そのためサラリーマンなどの昼間仕事をしている人も、家に帰ってきて夜からトレードできます。
日本国内の株式市場は朝9時の開場から15時の閉場まで、実質5時間程度しか相場が営業していません。
日本国内のみならず、海外各国の株式市場も基本的には日本と同じで、 お昼休みなどの時間を除くと実質5時間程度の営業時間となります。
しかしFXという取引形態になると、24時間取引できるようになるのです。
FXが24時間取引可能なシステムなのは、 インターバンク市場といわれる銀行間ネットワークで全世界つながっているからです。
FXには特定の取引所が存在しません。
そのため取引はインターバンク市場を介して銀行間で取引が行われるしくみとなっています。
FXでは時間を選ばずどこの国にいても注文が発注できるのです。
全世界の市場が一斉に閉場することはなくどこかの市場は開場しているため、その市場を介して注文が受け付けられます。
まず週のはじめ月曜日、一日のはじまり早朝4時に先陣を切って一番はやく開場する市場がオセアニア市場です。
ニュージーランドのウエリントン市場とオーストラリアのシドニー市場の主に2大取引所で構成されています。
そのあとに開く市場がアジア市場です。 東京市場、香港市場、シンガポール市場などがメインとなります。
続いて世界最大取引量を誇る欧州市場が開場し、最後にアメリカのニューヨーク市場が開場します。
FXは24時間取引ができるため、各市場のオープン時間とクローズ時間を把握している人はあまりいないでしょう。
仮に把握していなくても24時間取引できるため基本的には問題ありません。
しかし週末などはクローズ時間を意識していないと、 知らない間にシステムが停止してしまい、ポジションを持ち越すことになってしまいますので注意が必要です。
日本国内のFX会社では、 基本的に月曜日の朝7時から取引ができるようになります。FX会社によって多少時間が前後する場合もあります。
クローズは開場から5日後の金曜日ですが、 実際にクローズする時間は土曜の翌朝5時半から6時の間です。時差があるため実質的には土曜日の早朝となります。
海外でクリスマスといえばとても重要なイベントです。 とりわけ欧米では国をあげての一大イベントといってよいでしょう。
日本でクリスマスといえばそれほど重要ではなく、コミュニケーション感覚でパーティーを開いたりするぐらいです。
しかしキリスト教徒が多い欧米でのクリスマスは、宗教が関係するとても特別な日なのです。
そのため クリスマスの日には欧米市場は一斉に休場となります。
唯一日本市場だけは開場していますが、著しく流動性が落ちるため、 スプレッドが急激に開きやすくなったり、値が飛んで乱高下したりすることが多くなります。
年末から年始にかけての開場時間や閉場時間も各国でばらつきがあります。
とりわけクリスマスがとても重要な行事である欧米ですが、 お正月に関してはそれほど重要視されてはいません。
今度は逆に日本が、とても重要な行事としてお正月を取り扱います。
そのため お正月の日本市場は数日間にわたって市場が閉場されます。
各国年末31日までは営業していますが、一部の国で閉場をはやめたりする動きがありますので閉場時間には注意が必要です。
元日に限り全世界で一斉に休場となります。 元日以降平日であれば各国2日から市場は開きますが、日本のみ三が日として3日間閉場されます。
FX市場と日本の祝日はあまり関係がありません。
FXは世界規模での取引ですので、 日本が祝日でも世界の市場が開場していれば取引ができます。
逆に海外が祝日の場合でも、日本国内で通常営業していれば取引自体はできます。
しかし海外が祝日の場合は、ひとつ注意することがあります。 それは日本と比べ取引量に違いがあることです。
日本市場は欧米市場に比べてそこまで取引量は多くありません。そのため 日本市場が休場してもボラティリティが極端に落ちることはありません。
しかし 欧米市場が休場した場合はボラティリティが著しく落ちて、流動性がとても低くなりますので、スプレッドが広がりやすくなったり、値が乱高下したりしやすくなります。
FXは取引する時間帯やタイミングによってはスプレッドが広がりやすくなります。
日本のFX会社では固定スプレッド制を採用しているところが多く、スプレッドが開かないように固定されていますが、それでも開いてしまうときがあります。
それは ニューヨーク市場が閉場する早朝6時から7時ごろです。この時間帯は流動性が落ちるため、スプレッドが開きやすくなります。
また逆に経済指標発表時など市場参加者が増えることによってもスプレッドは開きやすくなります。
東京時間は日本市場をはじめ、香港市場やシンガポール市場などアジアの市場が開場するアジア時間のことをさします。
主にドル円をメインにクロス円が活発に取引されます。この時間帯はすでに開場しているオセアニア市場のメイン通貨、豪ドル、ニュージーランドドルも活発に動きます。
東京市場は2019年度においてシンガポール市場、香港市場についで、世界で5番目の取引量を誇ります。
しかしながらイギリス市場の取引量が43.1%、アメリカ市場の取引量が16.5%に比べると、 日本市場の取引量は4.5%とかなり低いことがわかります。
※BIS為替取引量調査2019
そのため値動きの特徴としてはそれなりに活発に動くものの、 レンジ相場になりやすく長期間のトレンドは出にくい傾向があります。
仲値までの短期的トレンドは比較的出やすいものの、仲値以降は徐々に値動きがおさまり短期トレンドも終焉する傾向があります。
またこの時間は オーストラリアと中国の経済指標発表時間もおさえておく必要があります。
オーストラリアと中国は経済的につながりが深いため、中国の経済指標発表にも豪ドルが反応し乱高下する場合があります。
以前、東京市場は世界3大市場の1つに数えられていましたが、 2020年現在においては香港市場やシンガポール市場に取引高で抜かれるなど、以前に比べ衰退してしまいました。
それに加えてアメリカとの経済関係上、レンジ相場になりやすい相場状況であるといえます。
レンジ相場になる原因はさまざまありますが、しくみとして1つ挙げられるのは「 買い手と売り手が均衡しているから」といえます。
つまりどちらかの国の通貨が 一方的に上がり続ける、下がり続けることが考えづらい通貨ペアなのです。
そのため東京時間はレンジ相場になりやすいといえるのです。
株式市場の特徴として顕著なのは、後場は それほど大きな値動きはなく比較的穏やかに推移していくことが多いということです。これは為替相場にもあてはまります。
東京市場の午前中は経済指標発表や仲値などもあり、とても活発に値は動きます。
しかし 午後は特にイベントもなく、サプライズがない限りはそこまでの値動きは発生しません。
なにごともなく時間が過ぎていけば、無事に東京時間は終了し欧州時間へとバトンタッチされていきます。
東京時間の15時から16時にかけて注意するべきポイントがあります。
まず 東京時間15時は東京オプションカットの時間です。
東京市場で取引される「通貨オプションカットオフタイム」のことで、 この時間を境にその日の行使期限をむかえるオプションが消滅します。
そのため15時直前に市場参加者が急激に増えるため値動きにも影響を与えます。
続いて 16時には早起きの欧州勢が参加してくるため、ボラティリティが増加します。
それまでの穏やかな相場状況とは一変して、急に活発になり始めます。この時間帯から取引をする場合は、東京市場と同じトレード戦略でいくと失敗する確率が高くなります。
東京市場がレンジトレード戦略でいくのがよいのに対し、欧州時間からはトレンド狙いのトレード戦略を立てていくほうがよいのです。
17時は世界最大の取引量を誇るロンドン市場が開場します。
この時間になると16時に先陣を切って開場した欧州市場から、更に ボラティリティが急速に増えはじめ値幅が大きく拡大します。
東京市場からトレンドが続いている場合は、 この時間を境にトレンドが逆転することもあります。
すでにポジションを保有している場合は、17時前後の値動きに注視する必要があります。
また東京時間から続いていたトレンドが16時の欧州勢で逆転し、17時のロンドン市場開場とともに、更に逆転する場合もあります。
結果もとのトレンド方向へ戻りそのままトレンドが継続する場合もあります。
東京時間の取引に適している通貨ペアは主にクロス円です。
クロス円とは円絡みの通貨ペアのことで、ドル円をはじめ豪ドル円やユーロ円、ポンド円などのことです。
中でも豪ドルとニュージーランドドルは、東京時間に市場が開いているため、 豪ドル円、ニュージーランドドル円の通貨ペアは値動きが活発です。
また豪ドル、ニュージーランドドルなどのオセアニア通貨と米ドルの組み合わせも東京時間にはそれなりに動きます。
仲値はFX取引における基準となる為替レートのことです。
各金融機関が午前9時55分時点のレートを基準にして、ちょうど10時に発表されます。
この時間は市場注目度が高く値動きにも影響を与えます。 この値動きを狙った仲値トレードという手法も存在するぐらいです。
実際に日本円を外貨に両替したり、両替した外貨を日本円に戻したりすれば確認できますが両替後と、また戻したあとでは手元に残る金額が同じではなくなります。
増えている場合もあれば、減っている場合もあります。つまり為替レートには開きがあるのです。
この開きのちょうど真ん中の値が「仲値」です。
ちなみに仲値から手数料を足したレートが顧客に外貨を売るときのレートとなります。逆に仲値から手数料を引いたレートは銀行などが顧客から外貨を買うレートとなります。
仲値はゴトー日によりいっそう値動きが激しくなります。
ゴトー日は5日、10日、15日・・と5の倍数の日です。
金曜日がゴトー日に当たる日が多く、週末のゴトー日に絞って仲値トレードを行う人も多くいます。
ゴトー日は企業の決済日であることも多いため、実需筋による米ドル買いが行われます。
このためドルが買われやすくなり、仲値にかけてドルの値段が上昇しやすくなります。
結果円安ドル高の方向に短期トレンドが発生するのです。
実需筋は為替の売買によって利益を得ようとする人たちではなく、輸出や海外での売り上げを、自国通貨に戻す作業をする人たちのことをさします。
例えばトヨタがアメリカで売り上げた自動車の利益は米ドルで入ってきます。 これを日本円に換える作業が実需筋による取引となります。
為替相場は国内株式市場とも密接に関係しています。特に東京時間の為替相場は、株式市場の値動きの影響を多く受けます。
東証に上場している企業の業績がよくなり全体的に株価が上昇傾向であれば、日経平均株価が上昇します。 これにより為替相場も連動し、円高傾向になりやすくなります。
逆に企業の業績が悪くなり、日経平均株価が下降傾向になると、それに連動して為替相場も円安傾向になりやすくなります。
更に為替相場と国内株式市場の連動性が高い理由として、 東証上場企業の中に輸出関連企業が多いことが挙げられます。
上場している企業のうち225銘柄が輸出関連企業です。このことからも日経平均株価との連動性は非常に高いといえるのです。
東京時間でトレード戦略を立てるときは、短期トレンド狙いの順張りトレードがおすすめです。
使用する時間足は1分足の超短期トレード足を使用します。トレード手法としましては仲値トレードがとても値動きがわかりやすく、初心者にはやりやすいです。
仲値時間には「円安ドル高の方向に短期トレンドが発生する」傾向が強いので、この性質をトレードに利用します。
そのため選ぶべき通貨ペアは「ドル円」のみです。その他の通貨ペアはこの特性の限りではありませんので 選択しないように注意する必要があります。
トレード時間に関しては、午前9時30分ぐらいからチャートを見はじめ、チャンスがあれば買いエントリーをしましょう。
利益確定の目安は仲値が発表される10時前後までポジションを保有します。
うまく円安ドル高のトレンドに乗れればトレードは成功といえるでしょう。
まず1分足を選択し20移動平均線と10移動平均線の単純移動平均線を表示させます。上図が基本のトレード画面です。
移動平均線は各FX会社ほぼすべてのチャートで表示できます。
次にトレードルールです。 20移動平均線が右上がりで10移動平均線がその上にあるとき、買いエントリーを発動しましょう。
この手法は「円安ドル高」方向のトレンドに乗ることを想定しますので、買いエントリーのみ有効となります。
利益確定は値動きが収まりはじめる仲値前後まで保有となります。
東京時間中に発表される日本の経済指標はアメリカや欧州の指標発表と違い、 そこまで激しく乱高下することは基本的にあまりありません。
またオーストラリアの経済指標発表時でも特に際立って値が動くことはありません。
しかし同時間中に発表される金融政策発表は値動きに影響を与える可能性があります。
金融政策発表は日本銀行が発表する「BOJ議事要旨公表」、オーストラリア準備銀行が発表する「RBA議事録公表」などです。
またオーストラリアと経済的に結びつきの強い 中国の政策金利発表も値動きに影響をおよぼすことがあります。
東京時間でデイトレードをする場合は、 まずトレードを開始する前に日足と15分足をチェックしましょう。
そして主要な高値、安値はどこか、どのあたりまで値は進みそうか、など環境認識するところから開始します。
主要な高値はレジスタンスライン、主要な安値はサポートラインと呼ばれ、多くのトレーダーに意識されるラインです。
そのためこのライン付近で値が止められたり、ラインを突破して一気に抜けたりすると値動きが加速することがよくあります。
トレードは取引するタイミングを見極めることがとても重要です。
「トレードは待つことも仕事」とよくいわれます。 自分の身につけた手法通りのポイントにレートが達するまで根気よく待たなくてはなりません。
タイミングを早めてのエントリーや自分の決めたルール外のエントリーなどを一度してしまうと、次のトレードからはルールを破りやすくなってしまうでしょう。
結果的にルールを無視したトレードになってしまい、 損失を重ねることへとつながるのです。
東京時間での主役通貨といえば、日本円です。それ以外にもオセアニア通貨である、 豪ドル、ニュージーランドドルも活発に動きます。
そのためこれらの通貨絡みの豪ドル円、ニュージーランド円などのクロス円通貨ペアがおすすめです。
ドル円をはじめ豪ドルと米ドル、ニュージーランドと米ドルなどの組み合わせもよく動きます。
しかしながら上記以外の 欧米同士の通貨ペアは、ほとんど値動きがなく小幅なレンジ相場を形成しています。
特にオセアニア時間とアジア時間に関係のない、ユーロと加ドルやポンドとスイスフランなどの通貨ペアの組み合わせを選んでも、ほとんど利益を取れません。
相場には「確実」「100%」ということはありません。
そのため必ず欧米同士の通貨ペアが東京時間中に値動きがないとは言えません。
特にFXは何が原因で値が動くかわからないため、東京時間中であっても欧米同士の通貨ペアにトレンドが出ている可能性もあります。
例えばどこかの国で戦争が勃発したなどの有事の際や、要人のサプライズ発言、予想外の金利政策発表などで 簡単に値は大きく動くこともあるのです。
日本の政策金利発表を含め、 経済指標発表もそれほど極端に値が動くことはあまりありません。
しかし まれに日本銀行 (BOJ) 日銀総裁による予想外の金融政策発表により値が大きく動くことがあります。
例えば2015年にはかなりの円安水準まで為替レートが達し、黒田日銀総裁が「これ以上の円安はありそうにない」と発言した直後、わずか1時間ほどの間に、124円60銭台から122円の後半まで約2円前後 (約200ピップス) も円が買われました。
このように普段は値動きがあまり反応しない日本の指標発表でも、十分気をつける必要があります。
東京市場は欧米市場に比べると市場規模がそれほど大きくなく、値動きもそれほどありません。
しかし仲値前に起こる決まった値動きやゴトー日、実需筋といった存在など東京市場特有の特性、しくみを理解し相場状況に合わせたトレードができるようになると、東京市場でも利益を出せるようになります。
むしろ値動きがパターン化している分、欧米市場に比べると値動きがよみやすく、リスクの少ないトレードができるのではないでしょうか。
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