FXは各国の通貨に投資、株式は企業に投資
FXではデモトレードで取引を練習することができる
初期費用や取引時間の点からFXをはじめるのがおすすめ
何か投資を始めてみようと考えて思い浮かぶのが、FXと株式投資だと思います。
これらの投資はそれぞれに特徴があり、資産状況や取引に取り組む時間によっておすすめできる投資は変わります。
本記事ではFXと株式投資の違いをわかりやすく説明し、どんな人がそれぞれの投資に向いているのかを解説します。
FXは外国為替証拠金取引と呼ばれている取引方法です。日本円と米ドルのように各国が発行する法定通貨の組み合わせでレート差が生まれます。 そのレート差を利用することで利益を狙う投資がFXです。
ニュース等でこまめに発表される為替相場の変動を利用することで、資産運用を行います。
具体例としては1ドル100円の時に購入して1ドル103円の際に売却すると、安く買って高く売ったことから3円の利益を出せることになります。
株は正式には株式投資と呼ばれます。 上場企業が発行する株式を保有または売ることで、利益を狙う投資法です。
株式投資の儲け方は主に2種類あります。1つは株式を長期保有し、指定された時点で株式を保有していることで企業から優待や配当金を受け取ることにより利益を得る方法です。
2つ目は短期で株式を売買する方法です。この方法はFXと同じような原理で安いうちに株式を購入して、高値になった際に売ることで差額の利益を手に入れる方法です。
FXでは投資対象として 各国が発行する法定通貨を取り扱います。法定通貨の表記は通貨コードとして3文字のアルファベットで記されています。日本円ならJPY、米ドルならUSDという表記です。
FXで取り扱う通貨はペアになっています。中には日本円やアメリカの米ドルなどのメジャーな通貨もありますが、トルコリラや南アフリカランドといったマイナーな通貨も取り扱えます。
株式投資では 上場している企業の株式が投資対象です。株式投資はFXと同じように安く買い高く売ることで利益になります。FXよりも短期間の値動きが大きく数十%以上の値上がりをすることもあります。
応援したい企業や今後の成長が期待できる企業については、中長期的視点をもって取引する投資家も多いです。また特定の時点で株式を保有していると、株主優待や配当が入る点も大きな魅力です。
FXでは対象となる通貨ペアに投資をします。一般的には世界的に基軸通貨として知られている米ドルやイギリスポンド、ヨーロッパユーロや日本円をはじめとするメジャーな通貨を取り扱えます。
他にもFX会社によっては香港ドルやシンガポールドル、中国人民元、トルコリラなどのマイナー通貨も取引対象の1つです。
取り扱う通貨ペアはFX会社によって違いますが、 総数としては株式投資のように莫大ではありません。
国内における株式投資では 上場している企業約4000種類の株式を売買して、利益を狙います。企業によってはすでに大きな値上がりをしている株式や、これから高騰が期待できる銘柄も多数あります。
何も考えないままでは4000種類の銘柄から投資対象を決定することは難しいですが、 注目する分野を決めて銘柄を絞ることは可能です。焦点をあてる分野によって投資対象も少なくなります。
またあなたがどのような投資方法を取るかによっても、最終的な銘柄が決まるでしょう。
FXでは投資する通貨ペアごとの値動き幅に違いはありますが、 通常の相場では範囲が0.5%から2%ほどです。次に解説する株式投資と比べて値幅が狭まる傾向になっています。
またFXで レバレッジを25倍まであげられるのが特徴です。平日の24時間いつでも取引が可能なため、大きな利益を得られる機会が常にあるという特徴があります。
株式投資では投資する種類によって日ごとの値幅が変動します。大きく分けると大手企業などの安定株とベンチャー企業の成長株で値幅が異なり、 安定株と成長株で1%から30%ほどの値動きが違います。
株式では信用取引が可能で、 預け入れ資金の最大3.3倍までの軍資金を借りて取引できます。1日の値動きが大きいベンチャー株を3.3倍の信用取引で投資した場合、1日で資金を2倍にできることもあります。
FXではおおよそ1万円の軍資金が用意できれば取引を始められます。またFX会社によっては最小1000単位から取引ができることもあり、 最大レバレッジ25倍を適用すると4000円から取引可能です。
後述する株式投資よりも少ない資金で始められます。レバレッジ取引はハイリスクハイリターンなため、利益も大きくなる分、大きな損失を出す可能性もありますが、損切ラインの設定や取引ルールを定めることで安定した利益を狙っていけます。
株式投資では約3600社のうち9割の3200社が、 50万円以下の資金で株式を購入できます。株式ごとに最低購入株数が設定されており、1株あたりの単価が少ない銘柄ほど安い費用で済みます。
株式を購入する際は複数の銘柄に分散することがおすすめです。1つの銘柄だけでは予想通りの値動きをしないこともあり、分散投資をすることで複合的に利益を狙えます。そのためまとまった資金が必要で、株式投資を始める額として 50万から100万円を用意する投資家が多いようです。
FXでは直接的な手数料が存在しません。FX取引をするにはFX会社を通す必要があり、 間接的な手数料としてスプレッドが設定されます。スプレッドは売値と買値の価格の差です。
実際に手数料が取られるわけではないですが、スプレッドが開くことで素早い売買による利益を出しにくくなっています。逆にスプレッドが狭いFX会社で取引を行うと、コストが少なくなり利益も狙いやすいといえます。
株式投資では購入した時に合計金額によって手数料が発生します。安価だと数百円から、合計金額が大きいと数千円を超えることもあるでしょう。値動きが大きい株式を保有することで、手数料が発生しても利益が狙いやすくはあります。
しかし100%利益が出るわけでもないので、仮に予想に反した価格変化が起きた場合はマイナス分と手数料を合計した金額が損失になります。そのため証券会社を選ぶ際は、手数料の安さが1つのポイントになるでしょう。
国内のFX会社では最大25倍までレバレッジを設定可能です。レバレッジ取引に規制がなかった時代には制限がなく、何百倍のレバレッジをかけることも可能でした。しかし金融庁による投資家保護の観点から、25倍にまで規制されています。
海外のFX取引所では規制が入らないことで、100倍や200倍で取引ができる場所もあります。しかしレバレッジが大きくなるほどハイリスクとなることも忘れてはなりません。
株式投資の信用取引では自己資金の3.3倍まで金額を増やすことが可能です。
信用取引のデメリットとして 購入した株式は6か月以内に売却しなければなりません。また取引資金を借りていることで、金利の支払いが発生します。保証金の金額が不足した場合に求められる追証もあります。
最近では返済期限のない無限信用取引ができる証券会社もあり、取引の選択肢も増えています。
FXでの通貨ペアは2つの法定通貨によって構成されますが、国家や通貨ごとに金利差が発生します。 FXで長期投資をする投資家にとって、金利差によって発生するスワップポイントが収益点の1つです。
金利が高い方の通貨を購入するか、金利が低い通貨を空売りすることで金利差を毎日受け取れます。スワップポイントはレバレッジに応じて変動するので、25倍のレバレッジがかかるとスワップポイントも25倍になります。
株式の保有では銘柄によって配当金が発生する会社もあります。
例えばみずほフィナンシャルグループは保有分に対して4%ほどの高配当が得られます。この配当は年に数回発生し、獲得条件も権利確定日に株式を保有していることなので、 配当金が発生する銘柄は人気が高いです。
配当を目当てにして権利獲得後に株式を売却する投資家もいるため、リスクとリターンを見極める必要もあります。
FXで取引される対象については各国の法定通貨のため、相場の変動要因として以下の内容があります。
各国の中央銀行による金利政策
雇用統計
貿易収支や消費物価指数
失業率
FXの価格変化で最も気をつけるべきは、各国の情勢です。投資先の国がどのような金利政策を取っているか、また雇用状況や失業率、貿易状況などに注目することで、値動きの予測がつきやすくなります。
またアメリカの経済情勢や政策については、世界情勢に影響を与える分野として注目が必要です。
株式の変動要因には主に以下が該当します。
地政学的リスク
政局
需要動向
企業成績
M&A
株式分割
株式の購入には銘柄の企業の将来性を見極める意味合いがあります。株価の変動は企業の価値の変動につながるので、関係する様々な要因を分析して予測を立てる必要があるでしょう。
株式は企業の価値を示すため、倒産や業績不振によって企業そのものがなくなるという大きなリスクがあり、その場合株価も0円になります。
FXの取引時間は株式投資と比較すると自由です。 平日なら24時間いつでも取引できます。FXでは世界中で市場が開いており、FX会社を通して時間ごとにオープンしている市場へアクセスしています。
土日に関しては世界の市場がほとんど取引を停止しており、新しくポジションを取ることも決済もできません。FX会社によっては優秀なスマホアプリが用意されており、パソコンに張り付いていなくても気軽に取引が可能です。
株式投資では平日の9時から11時半と、12時半から15時の間で取引が可能です。平日に働いている人は基本的に時間が取れないため、株式投資には取り組みにくいでしょう。
しかし証券会社の中には時間外取引サービス(PTS)が可能なところもあります。PTSでは8時20分から16時の間と、17時から23時59分の間で取引が可能になります。
PTSの活用で取引時間を増やせる可能性はありますが、参加者が少ないことで価格変化が激しいのであまりおすすめできません。
FXでは選択した通貨ペアの、国ごとの情勢を調査して相場の上下を予想します。
FXで十分な調査をするための時間は、株式投資に比べると圧倒的に少なく始めやすいです。特に米ドル/日本円の通貨ペアでは、情報が得やすくなっており為替の変動も緩やかです。 初めて投資を始める方にはおすすめの通貨ペアだといえます。
株式投資では上場済みの約4000社から投資先を決定します。その際には 自分の関心のある分野や、成長市場となりそうな分野で企業を調査します。しかしただ調査といっても、短期投資や長期投資で銘柄の選定先も変わるでしょう。
長期投資をするなら成長可能性がある企業を選ぶことになります。自分が応援したい将来性のある企業を見つけましょう。
これまでFXと株式投資を比較してきました。それぞれにメリットとデメリットが存在していますが、 気軽に始めやすいという点で、今回はFXをおすすめします。
FXでは株式投資よりも初期費用を抑えることが可能です。株式投資では初めにいくつか銘柄を選定しそれぞれに分散投資することが一般的ですが、その際に数十万円の資金が必要でしょう。
当然初めての投資で、そこまでの費用を用意できない人もいるでしょう。その点FXでは少なくても4000円から投資を始められます。もちろん準備金が多いほど安定した投資が可能になりますが、 少額から投資に挑戦できることは大きなメリットだといえます。
レバレッジが大きいほど、 準備資金が少ない人でも一気に利益を増やせる可能性があります。
レバレッジは諸刃の剣のため、下手な使い方をしているとすぐに資産がを失うことになりますが、効率よい運用方法をマスターすることによって、短期間で資産を増やせるでしょう。
FXでは最大25倍までレバレッジをかけられるため、株式投資の信用取引である最大3.3倍よりもメリットが大きいといえます。
FX会社の多くでデモトレードが利用可能です。 デモトレードでは自己資金を使用せずに実際のFX取引を体験できます。
自己資金が動かないことからメンタル面を含めた練習はできませんが、いきなり資金を投じることなく実際の相場に慣れるための練習になるでしょう。
またデモトレードではいくらでも仮想の取引ができるため、新しい取引手法などを試すこともできます。
FXと株式投資の圧倒的違いが取引時間の差です。 株式投資では平日の日中しか取引はできないですが、FXは平日なら24時間いつでも取引が可能になっています。
会社員として働いている人や日中忙しい人は株式投資に取り組む時間を確保しにくいです。そのため時間を問わず取引できるFXは、万人におすすめできる投資として断言できます。
またFXは時間が自由なことから投資の初心者でも、落ち着いた判断がしやすい特徴もあります。
何かに投資を行う際は綿密な調査が必要不可欠です。FXと株式投資でも利益を出すために投資先の調査が必須となりますが、 FXの方が株式投資に比べて調査時間が少なく済みます。
株式投資では約4000種類ある銘柄から投資先を選定するために時間がかかり、1つの企業を調べる時にも業績などを精査します。FXでは投資対象となる通貨ペアの選定先も少なく、 決定した2か国の情勢を調べることで価格変化の予想ができます。
初めて投資を行うなら必要な調査量が少ないことで、精神的疲労も抑えられるでしょう。
FXと株式には取引可能時間や必要費用など様々な違いがありました。 準備できる資金が少ない方なら、FXを始めることをおすすめします。初期費用が4000円から始められてレバレッジも25倍までかけられるため、うまく活用すると効率よく資産を増やせるでしょう。
また投資の際に行う調査量も株式投資と比べて少なく済み、投資を始めるための心理的コストも抑えられます。資金を投じることに不安があるなら、デモトレードから始めるのもおすすめです。
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