EMAを駆使する事で早期に売買のタイミングを掴む事ができる
移動平均線は幾つかのパターンに分類できる
だましを防ぐためEMA以外のテクニカル指標も併用する事が大切
FXトレードでは一般的に中級者になると、 様々な指標を使って情報を分析し、値動きを判断するテクニカル分析を使うようになるケースが多いです。
とはいえテクニカル分析にも参考にされる指標は数多く存在し、その指標から得られる情報は様々です。
今回は、その中でもよく使われトレンド系に該当する 指数平滑移動平均線、EMAについて詳しく解説していこうと思います。
基礎知識だけでなく、 上昇調整下降の各トレンドでのEMAの動きやEMAとの併用が適している指標などに関しても解説しているため、ぜひとも最後までご覧ください。
Exponentially Smoothed moving Average (指数平滑移動平均線) 通称EMAは一番最近の値動きに着目するトレンド系に分類されるテクニカル指標の一種になります。
単純移動平均線、通称 SMAに改良を加えた指標という位置づけであり、 より早期に値動きの判断を下せます。
EMAを敷く事でローソク足の動きの流れ・その方向を視覚的に読み取れるため、テクニカルの一つとしてFX業者の取引ツールに採用される事が多いです。
EMAは基本的に それぞれ異なる時間軸を2~3本組み合わせて、より深い分析結果や売買のタイミングを判断するのが一般的です。
単純移動平均線、通称SMAとは、 かけた期間のそれぞれの終値を合計し、期間の日数の数字で割った値を線で結ぶといった他と比べても非常に単純な移動平均線になります。
シンプルな方法ではありますが、その取り扱いやすさに加えて、為替の変動のトレンド把握といった場面で重宝する点から、世界中のトレーダーが使用しています。
最も大きいメリットとして挙げられるのは 長期のトレンドの方向が汲み取りやすく判断基準として適している点です。
逆に直近の 売買のタイミングでのサインは遅れやすく、トレンドの変わる瞬間を読み取りづらいといったデメリットも持ち合わせています。
WMAとは加重移動平均線を指し、指数移動平均線のような直近価格の変動に重きを置いている移動平均線です。
メリットとしては 直近価格を重視する仕様から、近い先の値段の変動に対して素早く対応できる点があります。
逆に一方で、その分 過去の値段変動への比重は下がるため大きな為替変動が発生した際やレンジ相場の場合には他の平均線よりも情報が劣ってしまいます。
トレンドの大きく変わる転換点を素早く察知する事が重要なスキャルピングトレード等では非常に有効でしょう。
指数平滑移動平均線は単純移動平均線よりもだましが多くはなりますが、 相場への反応が早い特性の性質上、長期取引よりも短期取引が適しているでしょう。
そのため超短期的に取引を繰り返すスキャルピングトレードでEMAは多く使われています。
スキャルピングトレードは1回の取引につき数pipsというかなり細かい値段の変動を捉え、利益を積み重ねてトータルで大きな収益を目指す方法です。
そのため、短期間のトレードをしっかりと把握するためにEMAが重要になってきます。
EMAと5分足を併用して数十pipsの値動きをもとにトレードする事も多いです。
一般的な最も広く使われているEMAは 20EMAです。
ですが全てのスキャルピングにこの設定が適しているというわけではなく、 自分が最も利益を出しやすいEMAの期間を見定める必要があります。
EMAを用いた短期取引の中でもスキャルピングの場合は考慮すべき点が少々多くなる点に注意してください。
上昇トレンド中のEMAは傾きが上方向になっています。
3本の線は下から長期EMA、中期EMA、短期EMAの順に構成されており、 上昇の傾向が強い場合3種の線の間隔は広がっていきます。
上昇トレンド中の特徴
EMAが上方向に傾く
下から長期、中期、短期の順にEMAが並ぶ
上昇傾向が強いと3本線の間隔は広がる
相場が天井にくる場合に短期・中期のEMAが交差してEMAの上下の順番が変わったりするなど、 調整期間中はEMAの方向性・勢いが定まらない特徴があります。
順番の変化に加えて3種の線がねじれあったりする他に、EMAの交差のタイミングで だましが発生する傾向もあるため注意が必要です。
調整期間中の特徴
EMAの動きが定まらない
3本線が高頻度で交差する
基本的に上昇トレンド中と逆の動きを見せ、調整機関中から下落トレンドに移行するとEMAの傾きが下方向になります。
並びも上昇中とは真逆の下から短期EMA、中期EMA、長期EMAの順番で、 下落の傾向が強い場合に3本線の間隔は広がります。
下落トレンド中の特徴
EMAが下方向に傾く
下から短期、中期、長期の順にEMAが並ぶ
下落傾向が強いと3本線の間隔は広がる
各トレンド時に使用する他に、サポートラインやレジスタンスラインとしての利用もできるため、別期間でそれぞれ複数表示させるのは非常におすすめです。
それぞれの線で 「次が目安としたトレンドを越えてトレンド転換となるか調整相場になるか」の大まかな予測をしておく事が非常に大事になってきます。
FXトレードを続けていく上でもトレンドの動きをEMAをもとに予測する場合でも、 「あらゆるベクトルの先の事を前もって予測して構えておく」事は重要です。
EMA・SMAといった移動平均線には、平均線と価格の位置状態に応じて売買のシグナルを判別する「グランビルの法則」と呼ばれる法則が存在します。
それぞれの平均線の上がり下がりをパターンに落とし込み売買を判断する材料の一つです。
グランビルの法則には買いと売りにそれぞれ4つ、 計8種類のパターンがあります。
買いシグナルは4種類の状態に分かれ、それぞれ以下の通りです。
MAが横ばい・下落して進む際に価格が上昇してMAを突き抜けた時
MAが上向きに傾いた状態で進み、価格がMAを下回った時
MAが上向きに傾いた状態ではあり、価格が突き抜けないが再度上昇した時
MAが下向きの状態ではあるが、価格がMAよりも大きく下に位置する時
一方売りのシグナルも 4種類に分類されており、以下の通りとなっています。
MAが上昇し終えて横ばいに進み、価格が上から下にMAと交差した時
MAの傾斜が下向きで、移動平均線を価格が上回った時
MAが下向きかつ価格がMAに近いものの上回る事なく下落に再度転じた時
MAが上向きに上昇しているが、価格が大きくMAから離れている時
ゴールデンクロス、デッドクロスのタイミングは時折トレンドの転換タイミングよりも遅れる事があり、 だましの発生も起こりうるため注意する必要があります。
だましによってトレンド転換にはならず調整相場となってしまう場合のために、 他のテクニカル指標も併用して分析し備える事が大切です。
また、移動平均乖離率と呼ばれるテクニカル指標ではEMAと価格の関係からタイミングを分析可能です。
下降トレンド・レンジの下限により上昇する短期EMAが下方から上へと突き抜け、長期EMAを抜き交差していく事を ゴールデンクロスと呼びます。
上昇トレンド・レンジの上限によって下降する短期EMAが長期EMAを上から下へ突き抜け、交差する事を デッドクロスと呼びます。
WMAほどではないものの、EMAも 直近の動向を重視する移動平均線であり、トレンド発生の瞬間に素早く反応し売買のポイントを見逃さないテクニカル指標です。
ですが当然、 相場の大きな変動の際などにはだましが多く発生してしまいます。
このだましを少しでも回避する方法の一つとして、短期中期長期といったそれぞれ 期間の異なる複数のEMAを使用するというものがあります。
その他にパーフェクトオーダーの確認やローソク足を増やして判断の材料を多くする事でより緻密な分析を行うのも方法の一つです。
EMAを単体として使わず、他のテクニカル指標と 複数併用して情報の精度を上げて取引に臨む事が大切です。
複数のEMAを使用する際に、 EMAとストキャスティクスを併用する方法も広く知られています。
EMAを短期・中期・長期の3種類用意する場合、自分の使いやすい期間に設定してもいいですが一般的にはそれぞれ5EMA、12EMA、20EMAが使われています。
そしてEMAがパーフェクトオーダーとなった時に、各EMAの 交差状況や その波形のパターンから買いと売りのサインを読み取り、トレードを行うというわけです。
他にも EMAとSMAを併用する、という方法もかなり一般的です。
ゴールデンクロスやデッドクロスとなった際に SMAの向きから買い・売りのエントリーを判断します。
SMAの他にも平均足やRSIなどと併用するなど方法はまだ数多く存在し、その取引する通貨ペアによってもベストな組み合わせのテクニカル指標は変わります。
過去のチャートから自分に適した組み合わせを少しずつ見出してみてください。
移動平均乖離率は 移動平均線から価格がどれくらい離れているかを数字で示してくれる指標の一種です。
上下の変動が激しい相場などによって EMAと価格の位置の間隔が広がると、移動平均乖離率の値も大きくなってきます。
移動平均乖離率は 「価格の動きは最終的に移動平均線に戻る性質がある」という考えのもと、買いすぎや売りすぎの判断材料です。
取り扱う通貨ペアによって見せる特徴が異なるため平均どのくらい乖離するのかを過去の数値を材料にトレンドの反転タイミングを分析していきます。
反応が早い分だましが多いEMAに使う事で判断材料が増え、 だましの遭遇率を下げる事に繋がります。
CCIとは商品チャネル指数の事を指し、値動きの幅に応じて現在の値がどれくらい乖離しているかを数字によって示してくれます。
値段の上限は存在せず±100を基本推移としており、売られすぎがー100オーバー、買われすぎが+100オーバーといった判断基準になっています。
ですが±100を越えた時にエントリーではなく、天井底値どちらかについて 再び±100に戻った後が一般的なエントリーのポイントであるため注意しましょう。
CCIの買いのシグナル
-100以下に進み、その後-100以内へ戻ってきた場合
CCIの売りのシグナル
+100以上へ進み、その後+100以内へ戻ってきた場合
CCIの戻ってきたタイミングがエントリーポイントという点に気を付けていれば、比較的簡単にシグナルを把握できるためぜひともマスターしておきましょう。
いままで解説してきたテクニカル指標に加えて、MACDと呼ばれるトレーダー間でかなりメジャーな位置づけのEMAを用いた指標が存在します。
MACDは シグナル線・MACD線の2種類の線で構成されており、MACDとEMAの関係を端的に説明すると、
シグナル=MACD線のEMA
MACD線=短期のEMA-長期のEMA
となっています。
また 長期EMAは26日、短期EMAは12日、シグナルは9日で算出していくのが一般的です。
ここで短期EMAが長期EMAよりも大きくなっていればプラスと判断できるため上昇トレンド。
逆に長期トレンドが短期トレンドよりも大きくなっていればマイナスと判断できるため下降トレンドとなります。
ローソク足や他の指標が無くとも2種類の線でトレンドを手早く判断でき、 MACDがEMAを使用する都合上SMAよりも素早くトレンド転換を察知できます。
WMAほどではないものの、前述してきたようにトレンドの発生をいち早く察知するべく、 直近の変動を重視するテクニカル指標です。
そのため大きく相場が変動した時にだましが多くなるという リスキーな側面を忘れてはいけません。
長期・短期の各EMAの交差から注文する際、しっかりとトレンドが出来上がっていない場合、大きいマイナスを招く恐れがあるので細心の注意を払いましょう。
移動平均線のみでトレンドを決定づける場合、完全に鵜呑みにはせず、 余裕があれば別の指標でも分析し直す事をおおすすめします。
今回はEMAについて解説しました。
EMAは一番広く知られた指標であり、SMAの欠点を改良した改良版という位置づけから 中級者・上級者がよく利用するテクニカルです。
だましが多いという1点に注意しつつ、 活用してエントリーポイントやイグジットポイントのシグナルを捉えトレンドを掴んでいきましょう。
FXを続ける上で必修の内容であるため、繰り返し記事を反復してしっかりとマスターしていただければと思います。
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