サヤ取りはトレード間で発生する差額を狙う運用スタイル
サヤ取りは大きく分けて為替差益とスワップポイントの2種がある
サヤ取りの最初の業者選びは他の運用以上に大切
一般的に サヤ取りの広く知られているイメージとは、「少ないリスク・少ないリターンではあるもののしっかりと利益をあげられる運用」といったものです。
しかし当然誰にでもすぐにできることではなく、 サヤ取りの種類や利益の出る仕組み、実際のサヤ取り運用方法などを学ぶ必要があります。
今回この記事ではサヤ取りの基礎知識や仕組み、サヤ取りに適したFX会社などについて詳しく解説していこうと思います。
サヤ取りにおける 「サヤ」は差額のことを指し、少ないリスクから差額を発生させていく運用方法がサヤ取りです。
トレードで発生する スワップポイントや、レートによって出た差額に荷重をかけ、利益を伸ばしていきます。
日本円がサヤ取りに適した通貨であることに加え、保険をかけたトレードができ、低リスクな点からサヤ取りをメインの運用方法として構える人は多いです。
サヤ取りは運用で大きな損失を抱える可能性が極めて低く、 基本を抑えていれば初心者トレーダーでも運用していける内容です。
そのリスクの低さと入り口の広さから、市場の予測に長けていない人や、資金に余裕はあるがトレードに時間を割けない人の投資でも資金を伸ばせます。
他と比べて慣れるまでにそこまで時間がかからない点は大きく、 他のトレードスタイルへの足掛かりにもできるためかなり魅力的です。
ですが他にも劣る部分は少なからずあり、その最たるものが 得られる利益の少なさです。
サヤ取りはあくまでローリスク&ローリターンの運用であるため、投資する金額がある程度大きくなければ僅かばかりの利益で留まってしまいます。
加えてサヤ取りのセオリーである両張りの都合上、投資金額は通常の運用の倍必要であるため、 初期資金に難のある人には適していません。
サヤ取りの方法には 「為替差益」「スワップポイント」、の2種類があり、それぞれの留意すべき点も大きく変わってきます。
為替差益を利用するサヤ取りは、オセアニア通貨といった他と相関性を持つ 通貨ペアの「買い」「売り」両方のポジションを保持してその発生する差額が利益です。
オセアニア通貨はニュージーランドとオーストラリアの豪ドル・NZドルを指し、相関性のある通貨ペアとして広く浸透しています。
2種の通貨の差額のみを狙う運用方法である以上、値動きがどれほど思うように進み好転したとしても、 他のトレードほどの利益は期待できません。
通常のトレードよりもかなり多くの投資資金が必要になってきます。
為替差益の最も大きなメリットとして、買いと売りの両ポジションを保持できる点があります。
市場が大きく荒れている場合でもどちらか一方で収益が出ているため、 大きなマイナスを抱えるケースが限りなく少ないです。
逆にデメリットをあげると、両ポジションを保持するべく定期的な相場のチェックや投資する適切なタイミングの見極めに奔走しなければならない点があります。
また相場の変動が自分の予期せぬ結果になった時、速やかな損切りを行えないと 倍近くの損失を抱えることになってしまう点にも注意が必要です。
細かい判断や十分なサヤ取りに割ける時間が求められます。
通貨ペア間の 価格の乖離が広がるポイントを見極めることが、サヤ取りとしての利益です。
例えば豪ドルとNZドルは似た動きを展開することが多いものの、時折豪ドルは上がりNZドルが下がるといった真逆の動きをすることがあります。
この時に両方のドルの価格は離れて乖離が広がっていくため、 この乖離するポイントを早期に見つけることが利益に繋がります。
乖離が進んだ時の双方のドルの動きを考えると、相関性の高さから価格の上がったドルはまた下がり、価格の下がったドルは再び上がってくると予想できるでしょう。
そこで上昇が見込める通貨に 売りのポジション、下降が予想される通貨に 買いのポジションを持つことで利益を狙えるわけです。
逆に通貨が接近しているタイミングでも、同様に双方の動きに差が生じると見込めるため、そこでも売り買いのポジションを付ければ同じく利益が見込めます。
相関性の高さは 動向の読みやすさでもあるためとても重要です。
そもそもスワップポイントとは、各通貨の金利差を補完するポイントを指します。
スワップポイントはFX業者が各々で独自の設定をしていることが多いため、 通貨ペアが共通していてもある程度の違いが出てきます。
その違いを活用して利益を伸ばしていくサヤ取りが 「スワップポイント差益」です。
スワップポイント差益の最も大きなメリットとして、為替差益と違い細かく 為替相場をチェックして動きを把握しておく必要はない点があります。
1日1回程度、 ポジションを保持するトレードだけしていても利益は十分に狙っていけるでしょう。
他の行動に時間を割ける以上別の取引にリソースを割き、トータルで為替差益よりも利益を生めるかもしれません。
為替差益の上位互換というわけでは決してなく、スワップポイント差益のデメリットとして、得られる利益が 為替差益以上に少ない点があります。
これは細かいチェックをしない分取りこぼしも多いため、仕方ない側面でもあります。
まず、買いと売りの両方から、スワップ運用をするFX会社2社でそれぞれチェックが必要です。
チェックした組み合わせの中から、 最もスワップポイントの大きいものを狙っていきます。
架空のA社とB社による豪ドル円とNZドル円の組み合わせを例とすると、以下のような組み合わせを調べていきます。
(A社)豪ドル買い(B社)NZドル売り
(A社)豪ドル売り(B社)NZドル買い
(B社)豪ドル買い(A社)NZドル売り
(B社)豪ドル売り(A社)NZドル買い
この 4種の組み合わせの中から最も差益が開くものを選択してそれぞれの買い・売りのポジションを保有していきましょう。
サヤ取りはそもそも、定期的なチェックや各口座の必要証拠金の用意に加えて スワップポイントは毎日変動するため管理が大変です。
証拠金やチェックを行っていても、通貨ペアのレートが変動した際に素早く資金移動できなかった場合、 含み損及び強制ロスカットのリスクが伴います。
なるべくこまめな資金管理を心がけるようにしましょう。
米ドル円の通貨ペアは言わば鉄板です。
多い流通量に加えて相場も比較的安定しており、 リスクを少しでも抑えて動きたい初心者の方には、うってつけと言えるでしょう。
ニュースなどで情報が集めやすいのも魅力の1つです。
豪ドル円、NZドル円は前述した オセアニア通貨であり、相関性の高さと相場の安定具合から サヤ取り中心のトレーダーには広く知られている人気の通貨ペアです。
サヤ取りで運用する上で避けて通れない、かなりメジャーな部類の通貨ペアのためしっかりと覚えておきましょう。
高金利通貨としては南アフリカランド円も人気が高いです。
南アフリカランド(ZAR)はトルコリラやメキシコペソと同じように新興国発の高金利通貨の一種であり、 勢いも強く今後の発展が期待されている通貨です。
近年は高金利通貨として人気を占め、サヤ取りの中級者以上のトレーダーが注目している通貨となっています。
サヤ取りで失敗するケースとして最も多いのが、一時的な損失の際の口座の資金不足です。
FXトレードではFX口座に証拠金を保有してなければ取引ができません。
ですがトレードで損失が発生した場合に、証拠金以上の損失にまで発展すると、 「ロスカット」と呼ばれる強制決済がなされる可能性もあります。
一度取引を進た後しばらく放置しておく傾向が強いサヤ取りでは、 気づかない間にロスカットとなるリスクが他の運用に比べて高いです。
両張りの状態をキープし続けなければならず、こまめなチェックか十分な証拠金の用意は必須と考えていいでしょう。
口座の資金不足はサヤ取りを開始してしばらく経ち、少し油断した時に最も陥るケースです。
スワップポイント差益を狙う場合に多い失敗として差額の縮小があります。
各FX会社ごとに設定するのが通例となっているスワップポイントですが、 スワップポイントは定期的に更新され、その中で徐々に差額は縮小する傾向が強いです。
スワップポイントの差益がサヤ取りの利益そのものであり、 縮小は損失に直結します。
さらに入出金の手数料などの面から、気づかない間に収支がマイナスにまで陥っていたというケースは少なくありません。
為替差益でも差額の縮小は深刻に捉える必要があり、各国の通貨ペアがその相関性から差額の縮小の関わる金融政策1つでマイナス方向へ変動するリスクが存在します。
サヤ取りを行うにあたって差額の縮小は死活問題であり、そういったトラブルに巻き込まれることを防ぐため、 世界中の経済情勢には気を配っておく必要があります。
自分のポジション取りが今安全かを確認するべく、 定期的に経済ニュースなどは確認しておくようにしましょう。
相場が急変した場合には決済することで、すぐにポジションが解消され損益を確定させて損失を防ぎます。
ですが 相場の状態如何によっては、即座に解消されないことがあります。
これは値動きが急激に変動した場合などに多く見られ、多くの場合決済は相場がある程度動くまでなされません。
両張りを行っていることで互いのポジションを補填し合い、保険して働くのがサヤ取りです。
ですが決済不能に陥ると両方のポジションが裏目に出て、 逆にマイナスを助長させることにもなってしまいまう可能性もあります。
サヤ取りが通常の相場では左右されない魅力を持ってはいますが、急変動ではその限りではないため、やはり経済の情報は出来る限り把握しておく必要があります。
サヤ取りは取扱うレバレッジの倍率や、対応している通貨ペアの数がFXの会社によって大きく異なるため、始める前に入念に調べておく必要があります。
サヤ取りを禁止している会社も海外では一定数存在し、 知らずに行ってしまうと禁止事項に抵触したとして口座凍結や強制退会などに陥る可能性があります。
スプレッドの狭さに加え、サヤ取り取引の可否やロスカットルールの有無など、サヤ取りをする上で避けては通れない内容もまとめて以下で確認しましょう。
ヒロセ通商の仕様は以下の通りです。
レバレッジ倍率は最大25倍
取扱通貨ペアは50ペア
ロスカットルールあり
スプレッドが狭いのは勿論のこと、 取扱い通貨ペアの種類の豊富さに定評があります。
その通貨ペアの多さから運用の選択肢が極めて多く、幅広いニーズに応じた活用ができるでしょう。
外為オンラインの仕様は以下の通りです。
レバレッジ倍率は最大25倍
取扱通貨ペアは26ペア
ロスカットルールあり
外為オンラインの提供する独自開発した取引ツールは非常に使い勝手がよく、特有の 「iサイクル2取引」で簡単にトレードを行えるため非常に根強い人気を持ちます。
FXネオの仕様は以下の通りです。
レバレッジ倍率は最大25倍
取扱通貨ペアは20ペア
ロスカットルールあり
FXネオは他の会社よりも スワップポイントが安い傾向にあり、利益も広がりやすいでしょう。
FXネオの比較チャートは売買のタイミングが見極めやすく、非常に使いやすいため相関性のある通貨ペアを見つけるのが他のFX会社よりも容易です。
国内のFX会社ではあまり禁止されている例を見ないものの、海外ではそのFX会社の負担を避ける目的から、 サヤ取りを禁止している会社も存在します。
実際、業者のスワップ差によるサヤ取りが頻繁に行われると会社側の買い売りのポジションが不安定になるため、良しとしていない会社は一定数いるでしょう。
ですが売りと買いをそれぞれ異なる業者で行っているに過ぎないので、国内でサヤ取りを禁止する会社というのは考えにくいです。
基本的には問題なく行えますが、 超短期的にサヤ取りとして運用する場合にスキャルピングトレードとみなされてしまう可能性があります。
規定でスキャルピングトレードを禁止としている会社で超短期的トレードを行った場合、 口座の凍結や 退会の措置が下ることも十分にありえます。
為替差益を利用する場合に適したFX業者の口座は、 比較チャートが他よりも優れているか否かで判断するといいでしょう。
為替差益のサヤ取りでは、相関性の優れた通貨ペアを見つけ、買いと売りのタイミングを測ることが最も重要と言えます。
そのため少しでも 判断材料を多く引き出せる優れた比較チャートが大切になってきます。
為替差益のサヤ取りで抑えておくべき口座のポイント
比較チャートが良質であるか
スプレッドが狭い部類であるか
スワップポイントを利用するサヤ取りの場合は、 スワップポイントの高い会社と安い会社をセットで確保することがカギになってきます。
そのためサヤ取りに運用する口座は、 「スワップポイントが他よりも突出して高い、あるいは低いか」で選ぶといいでしょう。
スワップポイントのサヤ取りで抑えておくべき口座のポイント
他の会社よりもスワップが高い部類であるか
他の会社よりもスワップが低い部類であるか
入出金の手数料の有無等
今回はスワップポイントと為替差益の2種を主軸に サヤ取りをしました。
つきっきりでチャートを把握して無くても利益を生みやすい反面、 最初の口座選びや定期的な各ポジションの資産管理が非常に重要になってきます。
今回あげたFX業者は、サヤ取り上級者などもよく使い広く親しまれているものですのでおすすめです。
こちらの記事を参考にご自分のサヤ取りの利益をさらに伸ばしていただければと思います。
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