FXで個人事業主になるには
個人事業主と法人でFXをする時の税金の違い
個人事業主がFXをするメリットデメリット
ここでは個人事業主のFXというテーマで解説していきます。
この記事を読むと事業としてFXをやろうと考えた時の税率や、メリット、デメリットについて理解を深められるので、ぜひ最後まで読んでください。
FXで個人事業主になることはかなり困難です。
FXは投資の中でも、「投機性が高く継続的に相当程度安定した収入を得られる可能性が乏しい」といった理由で、事業として認められなかったという事例があります。
個人事業主と認められるためには、長期的に安定した収益を出していくことが重要となります。
そもそもFXで個人事業主になってもあまりメリットはないので、法人化がおすすめです。
FXを事業として認めてもらうには、毎月安定した収益を出すことが重要となります。優秀なトレーダーでも負ける時は負けるので、利益をあげられても「安定した」といった面で難しいです。
利益を出しやすい相場の月もあれば、利益を出しにくい月もあり世界情勢などにも左右されます。
収益額が多い場合は、個人事業主ではなく法人化することがおすすめです。
諸経費が認められやすく、法人口座も開設可能なので、 個人事業主になるよりメリットが多いといえます。
FXが事業として認められると、 確定申告として白色申告か青色申告から選べるようになります。
青色申告では特別控除、純損失の繰越し・繰戻し、貸倒引当金の計上などがあるので、簡易的な白色申告をするよりもメリットが豊富です。
青色申告の特別控除では正規の帳簿と記帳に基づいて作成した、貸借対照表及び損益計算書を確定申告時に提出すれば最大65万円の控除が受けられます。
しかし FXでは白色申告でも確定申告をすれば、損失が出た際の繰越は3年まで認められているので、特別控除以外のメリットはあまりないです。
またFXを本業として個人事業主になった場合、税率が累進課税となるため、どちらが有利か考えてやりましょう。
本業でFXを行っているか、副業でFXを行っているかで所得の種類が異なります。
FXが本業の場合は「事業所得」で、副業の場合は「雑所得」とみなされます。なぜこのように分けられるかというと、税の公平性によるものです。
例えば飲食店を経営している人が副業のFXで大きな利益を出したとします。
仮に飲食店経営以上の利益がFXで出た場合、それが事業所得となると、飲食店に必要な食材や店舗代などの経費が、FXも含めた収入の経費として計上されてしまう事態が起きてしまいます。
これをFXだけで同じ収入を出した人と比べると、 多くの経費が引かれるため、払う税金が少なくなり不公平です。
本業収入が同じでも税負担が大きくなったり、逆に少なくなったりしてしまうので、税の公平性が保てなくなるのです。
そのため 本業か副業かで所得の種類が変わる仕組みになっています。
FXを副業として行った場合の税金計算方法を見ていきましょう。
ここでは本業で行っている事業収入が600万円あり、 FX取引の利益が100万円あるという例で解説します。所得控除などの控除は考えません。
本業の税金を計算する
事業所得では「累進課税制」といって所得が高くなるほど税率も高くなる制度が適用されます。
利益に税率をかけて、一定の控除額を差し引いたものが税額となります。
事業所得は600万円なので課税される税金は以下の通りです。
600万×20%-控除額42万7,500円=72万2,500円
さらに所得に対して10%の住民税がかかります。
600万×10%=60万円
以上の二つを足すと、本業の税金がわかります。
72万2,500円+60万円=132万2,500円
FX取引の税金を計算する
FXの取引は雑所得の中でも「先物取引に係る雑所得」に区分されます。累進課税は適用されず、税率は一律です。
所得税15%、復興特別所得税0.315%、地方税5%の合計20.315%が先物取引に係る雑所得等の税率となります。
FXで100万円の利益があれば、
100万円×20.315%=20万3,150円
がFXの利益にかかる税金になります。
合計の税金を求める
本業の税金と副業の税金を合算したものが、その年に個人事業主が納める税金の総額となります。
本業132万2,500円+FX20万3,150円=152万5,650円
以上より152万5,650円が支払う税金になります。
FXを本業にしている人はFXの収入をこちらの表に対応させて計算するだけです。
法人でFX取引を行う場合は個人事業主の時と違い、本業でも副業でも税率は変わりません。
法人で税金を計算する際は、収入全ての合計から仕入れや経費を差し引いてその年の利益が出ます。
課税される所得に税率をかけると、納める法人税が算出される仕組みです。
とある法人での本業利益が1,000万円あり、FX取引の利益が200万円だったとして、税法上経費と認められないものが150万円差し引かれていて、税率を30%で計算した場合を例とします。
経費を150万円引きすぎているため加算して計算されます。法人税は会社規模によって税率が変わってくるので、あくまで1例として30%にしています。
利益合計1200万円 (本業1,000万+FX200万) +調整額150万円=1,350万円
課税所得1,350万円×税率30%=405万円
この場合405万円が支払う税金となります。
個人事業主と法人では税金を考えると税率の違いがあります。
法人税は本業収入でも副業収入でも関係なく同じ収益として計算されます。会社規模によって税率は変わってきますが、地方税も合わせて30%ほどです。
個人事業主であれば本業と副業によって税率が変わるので、どちらが得か下記にてまとめています。
FX取引を本業としている時
所得税では、 事業所得の場合は、5%~45%と所得金額が高ければ高いほど税率が高くなります。
そのため利益が大きい場合は法人の方が得で、利益が小さい場合はそもそも個人事業主の申請をしない方が得といえます。
FXで大きな利益を安定的にあげられるようになれば、法人にすることを検討してもいいかもしれません。
FX取引を副業としている時
個人でのFXの税率は前述したように20.315%なので、法人税に比べて低い税率です。そのため副業でFX取引をする場合は個人の方が得となります。
個人事業主と法人では法人の方が経費にできる範囲が広くなります。
法人は事業活動の範囲が大きくなるので、経費の範囲も必然的に大きくなるのです。
もちろん事業に関係のない費用は経費とみなされません。
法人でも個人事業主でも赤字は繰越せます。 法人は10年間、個人は3年間繰越しができる仕組みです。
FXは利益を出すだけでなく、減るリスクももちろんあるので、大きな赤字が出た場合は法人の方が有利となります。
個人事業主のFXであげた利益は「先物取引に係る雑所得等」に分類されますが、 「先物取引に係る雑所得等」はFXだけが該当するわけではありません。
日経225等の先物取引
オプション取引、CFD (差金決済取引)
上場カバードワラント
これらの投資を全て行った場合に、片方が黒字で片方が赤字となった時は 黒字分から赤字分を差し引いた金額が、先物取引に係る雑所得等の金額として課税対象となります。
本業の収入がありFXで赤字が出た場合は、FXの分は申告する必要がありません。本業で得た収益のみを確定申告すれば問題ないです。
しかし FXで生じた赤字は確定申告をすることで、翌年以降の3年間で繰越しが可能です。翌年以降に出た黒字の分と相殺できるので、赤字が出た場合でも確定申告はした方がいいといえるでしょう。
これはあくまで先物取引に係る雑所得等の話であり、 事業所得の赤字は繰越しないので注意が必要です。
国内FX会社の場合に個人でかけられるレバレッジは25倍までと定められています。
法人口座では25倍以上のハイレバレッジで取引をできるFX会社がほとんどなので、リスクはありますが大きな利益も見込めるでしょう。
損失が出た場合の繰越は法人化をしない場合は、3年までしか繰越しができません。
相場の状況は目まぐるしく変化していくものなので、 3年では損失で終わってしまう可能性があります。
しかし平成24年まで個人事業主は、損失の繰越しができなかったので、いい方向に向かっているともいえます。
それでも法人化は10年間の繰越しが可能なので大きなメリットです。
FXは「先物取引に係る雑所得等」に分類されるので 日経225やオプション取引を行う人であれば損益通算の範囲になります。
しかし株取引や不動産収入などの一般的に人気な投資は範囲外です。損益通算の範囲が狭いので、他の事業や範囲外の投資は相殺ができません。
FXで赤字が出たとしても、 翌年以降にFXで利益を出さなければ税制が優遇されるといったことはないので、損益通算の範囲が狭いことはデメリットといえます。
個人で計上できる経費の範囲は限られています。
FX投資セミナー参加費
取引口座のための諸経費 (手数料など)
本などの資料代
通信費でFX取引に必要と主張できるもの
ツール代金
FXセミナーなどでかかった交通費
これ以外にもFX取引にかかるものであれば、経費で計上されますが多くはありません。
FXの取引で大きな利益を得ればもちろん取引をした個人に帰属されます。
得た利益は個人資産になるので、親族などに渡そうとすれば贈与税や相続税の対象です。
また利益を出したらその個人は利益に応じて税金を納める必要があるので、所得の分散や相続税の対策として望ましいとはいえません。
近年では副業を解禁する会社も増えてきましたが、まだまだ禁止している会社が多いです。
しかし個人事業主であれば副業はもちろん自由です。FXは時間や場所にとらわれずに副収入が得られるので、副業としては魅力的といえます。
最近はスマートフォンアプリで取引ができるFX会社も増えてきているので、 パソコンを持たなくてもスマートフォンで外出先から自由に取引ができるようになっています。
FXは平日であれば24時間取引ができるので、お仕事の合間やお休みの日などに自由に取引できます。
為替相場では値動きが活発な時間とそうでない時間があるので、ある程度は決まった時間に取引をするのがおすすめです。
9時〜12時や15時〜24時は値動きが活発になる傾向にあります。
取引スタイルは主に3つです。
超短期売買のスキャルピング
短期売買のデイトレード
中長期売買のスイングトレード
に分けられます。 慣れないうちはデイトレードがおすすめです。
個人事業主の副業でFXを行い、利益を出した際は本業収入とは別で税率がかかります。 副業でのFXの税率は一律20.315%です。
個人事業主の方であれば、事業収入の申告時にFX取引の分も一緒に申告すればいいので大きな手間とはなりません。
個人事業主として行うFXについて解説しました。
本業でするか副業でするかで大きく異なります。なかなか事業として認められないことやあまりメリットがないことから、個人の場合は法人化がおすすめです。
税率や損益をしっかり把握することが重要です。
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