pipsはFX取引の最小単位で投資効率を考える際に使いやすい
損切りラインを決めるためにpipsを使うべきではない
CFD取引におけるpipsの見方はFX取引とは異なる
FX取引では色々な通貨を扱います。投資効率を測るときに特定の通貨に換算して計算すると、取引の度に手間がかかるので良くありません。
そこでFXの世界では pipsという特有の単位が使われます。 どの通貨ペアで取引をした場合でも、pipsを使えば計算がしやすくて非常に便利な単位です。
本記事ではpipsの概要や計算方法、使う際の注意点を紹介します。pipsはFXの基本なので正しく理解するようにしましょう。
pipsはFX取引において使う単位で「ピップス」または「ピプス」と読みます。「percentage in point」の頭文字を取った略称がpipでその複数形がpipsです。
FXの世界で価格変動の大きさを表すとき、円やドルではなく基本的にpipsを使います。
どの通貨ペアで取引した場合でも共通して使えるpipsという単位のおかげで、円やドルに換算する手間が省けるからです。
FXを始めたばかりの人はpipsに慣れるまでに時間がかかることもありますが、FXの基本であるpipsはFX取引をする上で知識として欠かせません。
投資効率や取引実績の良し悪しの判断がしやすくなるので、FX初心者は利益や損失をpipsで捉える癖をまずは身に付けることが大切です。
投資に慣れていない人は金額や絶対額で考えがちですが、FXなどの投資の世界では率が大事になります。
たとえば100万円を稼いだ2人の人がいて、一方は元手が1,000万円、もう一方は1億円だとします。
この場合に投資効率が良いのは明らかに前者です。後者は元手を1%増やし、前者は元手を10%増やしています。
このように率で捉えると投資効率を測りやすくなりますが、 pipsも金額ではなく率に着目した単位です。
自分のFX取引実績の良し悪しを判断する際に使いやすく、どの通貨ペアで取引した場合もpipsという共通の指標で捉えられます。
pipsはFX取引における最小単位です。pipsを使ったほうが良い理由や、日本円や米ドルにおける1pipsがいくらなのか、まずは基本から押さえていきましょう。
円が絡む通貨ペアで取引するときは利益額や損失額を円や銭ですぐに捉えられます。ただ 円が関係しない通貨ペアで取引している場合、そうはいきません。
たとえばユーロ/米ドルで取引する場合、利益額を円や銭で考えようとすると、ユーロや米ドルを円に換算する手間がかかります。
これは非常に面倒ですし計算するだけで時間を取られてしまい大変です。しかしpipsを使えば簡単に計算できます。
pipsでは基本的に、 クロス円取引だと小数点第二位、ドルストレート取引だと小数点第四位に着目するだけで計算ができるからです。
以下では1pipsの計算方法について具体的に紹介していきます。
1pipsは通貨の1%を表します。1円の1%は0.01円であり、つまり1pips = 0.01円 = 1銭です。
日本円が絡むクロス円の通貨ペアで取引する場合には、小数点第二位の数字が1pipsにあたります。
米ドルの場合はドルが最小単位ではなく、ドルの100分の1であるセントが最小単位です。セントの1%が1pipsであり、1ドルの1万分の1が1pips、つまり1pips = 0.0001ドルになります。
米ドルが絡むドルストレートの通貨ペアで取引する場合には、小数点第四位の数字が1pipsです。
FX取引の利益額に影響するのは、 価格の変動幅である「pips」と、いくら投資しているのかを表す「ロット」の2つの要素です。
まず円が絡むクロス円の取引の場合は、pipsとロットを掛け合わせて利益額を計算できます。
一方で米ドルと他の通貨を組み合わせて取引するドルストレートでは、pipsとロットだけでなく、 最後に円に換算する計算が必要です。
そのためそのときのドル円のレートも掛け合わせます。
たとえばロットが1万通貨で、 1ドル107.21円で買って107.66円で決済した場合の利益額はどうなるでしょうか?
まず「107.66円 - 107.21円 = 0.45円」と計算できるので、取れた利益幅は45pipsです。
ここでロット数が多ければ多いほど1pipsあたりの利益は大きくなります。
1pipsの利益額は
「1,000通貨 : 10円
「1万通貨 : 100円」
「10万通貨 : 1,000円」
です。
今回の投入資金量は1万通貨なので、 「45pips × 100円 = 4,500円」で利益額は4,500円と計算できます。
pipsは非常に便利な単位ですが、気を付けるべき点もあります。 使い方を間違えると損失拡大の原因になりかねないので注意が必要です。
損切りラインを50pipsなどと機械的に決める人がいますが、これは損切りの考え方として良くありません。
損切りポイントはそのときの値動きやエントリーポイントによって決めるものだからです。
たとえばレンジ相場が形成された場合でも、レンジ幅が20~30pipsほどの狭いときもあれば、100pipsほどの広いときもあります。
損切りラインを50pipsにすると、前者では永遠に損切りがされないので設定する意味がありません。
損切りラインの決め方はいくつかありますが、 「エントリーしたときの根拠が崩れるポイント」で設定したり、損失率で決める方法がおすすめです。
たとえば特定のポイントで反転してトレンドが生じたと判断してエントリーした場合に、トレンドにならず予想に反して逆方向に進んだら、 その特定のポイントを割り込んだときに損切りします。
ただそのポイントまで待つと損失が大きくなり過ぎる場合は、 損失が一定以上になる前に損切りをすべきです。
何%が正しいという絶対的な基準はありませんが、損失が2%に達したら強制的に損切りをしたほうが良いでしょう。
なお損切りラインを適切に決められるようになるには慣れや経験が必要になります。
どのような損切り基準の決め方が良いのか、1回1回の取引でしっかり考えて経験を積むことが大切です。
たとえば自己資金が100万円で10万通貨の取引を行っていて、通貨ペア「米ドル/円」において1ドル105.50円のときに米ドルを買ったとします。このときの2%損切りラインの価格はいくらになるでしょうか?
まず2%ルールを守るので、100万円の2%にあたる2万円に損失額が達した時点で損切りをしなければいけません。
10万通貨の場合は相場が1pips動くと1,000円の利益または損失になるので、20pips動くと2万円に達することが分かります。
つまり 1ドル105.50円で買った場合には、105.30円になった時点で損切りをする、ということです。
pipsはCFD取引でも使われます。FX取引との違いなどを確認しておきましょう。
CFDは差金決済取引と呼ばれ、取引の開始時点と終了時点の間で発生した差額分を決済する取引です。 株などの現物を取引するのではなく、差額のみを決済します。
CFD取引でもpipsを使って投資効率を測れる点はFX取引と同じです。ただしどの桁を見て1pipsを判断するのかがFX取引とは異なります。
FX取引ではクロス円取引で小数点第二位、ドルストレート取引で小数点第四位が1pipsの基準ですが、金 (GOLD) と原油におけるpipsの捉え方はそれぞれ次のとおりです。
金 (GOLD) の取引をする際には通貨単位が米ドルになります。 そしてFX取引のように小数点を見るのではなく、金 (GOLD) では下1桁が1pipsです。
たとえば1801.29から1799.89まで変動した場合は16pipsになります。.
原油の場合は0.01ドルが1pipsです。 つまり1ドル変動すると100pipsになります。
FX取引における価格変動の大きさを表すpipsは、FX取引の最小単位であり投資効率を捉える上で使いやすい便利な単位です。
クロス円取引では小数点第二位、ドルストレート取引では小数点第四位を見れば、取引実績の良し悪しを簡単に把握できます。
ただし損切りラインを決めるためにpipsは使わないようにするなど、pipsに関する注意点もあるので気を付けましょう。
pipsはFX取引の基本なので、日頃からpipsで考える癖を付けて少しでも早く慣れることが大切です。
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